初日の下院、2日目本日は上院と2日間の日程で開かれるイエレン議長の議会証言。経済の現況や金融政策の方向性を議会に報告するもので、年2回行われるもの。初日の内容は、6月のFOMC後の記者会見に際しての発言と重なるものも多く、内容的にはサプライズはなかった。
しかし、市場の反応は、「ハト派的」というものに。おそらく思ったほどには、タカ派的ではなかったということのように思われる。想定を下回るインフレ率に対して、これまでより一歩踏み込みやや警戒モードか?と思わせる発言があったことが、その背景か。
以下は、ロイターが報じた発言内容の中から、私自身が要注目と思い選別したもの。・・・以下は、こちらのコメント
・米連邦公開市場委員会(FOMC)は、国債のみで構成されるポートフォリオに戻す意志を明確にしている。
・・・・ということはMBS(住宅債券)を中心に手放すということだが、海外投資家の保有比率が比較的低いので大丈夫か?
・インフレ率が目標の2%を持続的に下回り推移するリスクを認識している。
・インフレ指標が過去数カ月、著しく低水準にとどまっていることをFRBは確認している。
・・・・内部で懸念しているメンバーもそこそこ存在する
・米インフレ率が今後数年で2%に上昇する軌道に乗っていないとの判断は時期尚早。
・一時的要因がインフレの上昇を抑制しているもよう。
・・・・・これは6月のFOMCで指摘されたこと
・人口の高齢化が労働参加率への下押し圧力となっている。
・・・おっしゃるとおり
・現在の税制や歳出めぐる決定を踏まえると、債務は持続不可能。
・・・・・・・・・・・米国も早晩、財政赤字拡大加速は避けられぬ
・任期全うしたい、続投について考えをめぐらしたことはない。
・・・・来年2月で終わりかな
・米企業は現金を保有しているが、FRBが期待しているほど投資していない。
・・・・世界的にこの傾向。日本も同じ。自社株買いが支えるNY株高。
・FRB、労働市場と賃金の関連性が弱まっていると認識。
・・・・いわゆるフィリップス曲線を巡る議論は活発
・FRB監査法案に強く反対。FRBの政策決定に政治的干渉を許すような変更を懸念。
・・・・以前から共和党保守派を中心に準備
・バランスシートは2022年までに通常水準に戻る可能性。
・バランスシートの正常化開始が円滑に進むと想定しており、そう望む。
・FRBが掲げるインフレ率2%の目標を踏まえると、賃金の伸びは幾分低いようにみえる。
・・・・・いわゆるコナンドラム(謎)とされ諸説あり
・資産のバリュエーションに関して見解は示さない。しかし歴史的なレンジの上限にあると認識。
・・・・・・・NY株はガス欠で走る車(ウィリアムズ・SF連銀総裁)
明日14日に発表される6月の米CPI(消費者物価指数)が注目指標となる。
FRBのタカ派的スタンスを前倒しで織り込んだゆえに、ショートを400トンも抱える金は、反発基調。