週明けのNY金は、NY時間外のロンドンの早朝に記録した1204ドルが安値となった。JGMA(流通協会)のメルマガで書いたが、NYコメックスではファンドのロング(買い建て)の手仕舞い売りに加え、ショート(売り建て)の急増が目立った。
昨日3回目の調整局面としたように、年始に1151.40ドルでスタートした価格は、以下のようの高値、安値をつけてきた。
1264.90ドル(2月27日) ⇒ 1194.50ドル(3月10日) ⇒1297.40ドル(4月17日)
⇒1214.30ドル(5月9日) ⇒1298.80ドル(6月6日) ⇒現時点で1204.00ドル(7月10日)
この間、上下動に合わせロングの増減が見られた。その一方で、ショートは減っても250トン程度までで、経験則からは高水準を維持したままで推移してきた経緯がある。金の先安観は、それほど強い。
そして先週末発表分のデータでは、7月3日時点でショートは398トンと前週から71トン増加。手元のデータでは、2015年12月29日の408トン以来の高水準となっている。ショートが膨らむ際は、(言うまでもなく)調整局面。価格も下値に接近していることが多く、ちなみに2015年12月29日の終値は1068ドルだった。
印象としては、ショートが単体で400トン程に膨れ上がったにも関わらず1200ドルを維持しているというのが足元の相場を見て思うこと。先週末の米雇用統計を受けた以降の下げ相場と出来高を見ると、さらにショートが積み増された可能性が高そうだ。
現在の水準辺りで下値が固まると、反転に向かい、まずはショートが100トン余り減る辺りまで上昇するというのが、蓋然性の高いパターンと思う。欧米金利に頭打ち感が出ること、また再び政治リスクの高まりが、買戻しを促すことになりそうだ。