亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今年に入って3度目の調整局面のNY金。

2017年07月10日 20時46分36秒 | 金市場

米雇用者数は増えても賃金は上がらず・・・これが今回の米雇用統計。また弱めに出るかと高をくくっていた就業者の前月比増加数22万2000人が目を引いた程度で、他の内容にサプライズはなかった。注目の平均時給も前月比+0.15%で予想の0.3%には届かず。前月分の増加率も+0.1%に下方修正。6月の上昇率は前年比では+2.5%と前月と変わらず。今年に入って一番高かったのは、2月の+2.8%だった。

FRB内部でも賃金の先にある物価上昇の鈍さに関しては、見通しが分かれていることが先週のFOMC議事録でも表記されていた。実は2015年秋から理事の間でも意見が分かれている。結局、14日金曜日に発表される6月のCPI(消費者物価指数)に注目が集まることに。

NY金は今年に入って3度目の調整局面。

米雇用統計は、市場では全体としては米国の労働市場は堅調、すなわち順調な景気拡大を示していると判断されFRB(連邦準備理事会)の追加利上げ判断を後押しするものと捉えられ、金売りにつながった。NYコメックスの通常取引は、前日比13.60ドル安の1209.70ドルで終了した。週間ベースでは5週連続の下げとなり、直近の安値となっていた5月9日の1214.30ドルを割り込み、終値ベースでも3月15日以来の低水準となった。

その3月15日は、連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、当初は予想されていなかった追加利上げが実施された日でもあった。当時は2週間ほど前からにわかに追加利上げ気運が高まり、FRB高官が声を揃えて追加利上げ容認発言を繰り返し、利上げを前のめりに織り込みに掛った金市場では、直前の3月10日に1194.50ドルまで売り込まれることになった。先週末7月7日の安値は1206.00ドルだが、値動きの点からは5月9日の安値を下回ったことで、下値メドは心理的な節目となる1200ドルということになる。さらには、1194.50ドルが節目の価格ということになる。

1250割れを買っていたアジア実需は、蹴散らされた格好に。欧米金利の上昇を見てETFの売りが目立っているので、1200割れを拾う動きか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日欧大枠合意のEPA  前... | トップ | グロスで400トンまで膨らんだ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事