先ほど株式関係の業界紙向けの定期原稿を書いた。そこにも少し触れたが、一気に流動化の様相の北アフリカ・中東情勢の下で、2007年10月の過去最高値に向けて戻りを演じているNY株式に対して違和感があるのは否めない。いわゆる地政学的リスクを甘めに見積もっているのか、あるいは景気回復期待の中の主力企業の好業績とその見通しがそれらを跳ね返すだけ魅力的なのか。おそらく、みな事態の方向性の見極めができず流れに身を委ねて来たが、この週末を挟んだリビア情勢など、これから足がすくむ事態となりそうだ。本日のNYがプレジデント・デーで休みというのが、イイようなワルイような・・・。
中国では胡錦濤主席が「ネット管理の強化を指示」なるニュースがあり、そのような指示を“直接”!?と思っていたら、その足元で中国版ジャスミン革命なる動き。強力なる統制国家ゆえに、そうした動きは瞬く間に排除され、一般国民は発生さえ知らされずに明日を生きてゆく。しかし、排除は政府による時間稼ぎに過ぎず、起きた“さざ波”は時を経て将来の“うねり”になりそうだ。
しかし、中東における親米国の間に広がる騒乱、動揺は、言われて久しい「米国一極世界の崩壊、多極化」という流れをモロに示しているわけで、マーケットを見る上で今後意識していなかったリスク同士が相互作用で共鳴しあい、意識せざるを得ないリスクとして急浮上という展開となりそう。いずれにしても(マーケットが嫌がる)不透明要因拡大のなかNYが休みにもかかわらず金は1400ドル突破に。
明日のケース・シラー住宅価格指数は、どうなるのか。あまり騒がなかったが、前回20都市中マイアミなど9都市でバブル崩壊後の最安値を更新していたはず。結果を確認するのは、上海。