亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

“金価格” について

2012年09月10日 22時19分42秒 | 金市場
さて週明けNY時間外のアジアから欧州にかけての金価格の動きは、アジア時間で益出しの売りが一巡後は買い進まれたものの、持続力弱く、ロンドンに入ってからはやや売りに押し戻される展開。

1700ドル台は、昨年以来滞留期間が短く、どちらかというと売りが出やすい価格帯ではある。それでも1600ドル前後でのもみ合いが長かったので、何もなくとも1600ドル前後は維持してきたという“実績”は評価できよう。・・・・こんなことを書くのは、金の妥当価格を求めるのが難しいからだが、強いていえば市場参加者が受け入れた価格帯というようなニュアンスになる。したがって今年前半、さらには過去1年間の調整局面は、引き上がった価格水準への“慣れ”を生じさせるために必要な過程という理解もできる。それにしても、過ぎてみれば1年は早い。1年前のこの時期はしばしの“高みに上った”ような状態にあった。

この夏に新たな相場がスタートしたと見ているが、それは昨年ならば高所恐怖症に襲われていた価格帯に対する慣れを感じさせることからも自覚できるのではないか。

・・・・・とまぁ、わかったような、わからぬような・・・これも金ならでは、ということ。つまり株などのテクニカル分析や経験則も生かすことが難しいという側面があると捉えている。そのあたりの常識が通じないことも多いという表現が適切か。たとえば日本人に理解不能のインドの人々の金に対する強い愛着があったりというのは、有価証券の世界ではありえない、文化的宗教的背景があるが、結局は特異な物理、化学的性格をもつ実物資産ならではということ。
この価格水準に対するクリアカットな説明が難しいというのは、投資対象としての選びにくさに通じるが、昨今は“だからこそ金を保有するんだ”という理由づけにもなっている。

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1 コメント

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Unknown (fairlane)
2012-09-11 12:36:40
そう言えばインドの金輸入関税が7.5%に上がるという記事を見かけました。輸入量が少ないのに。ルピー安で今年のフェスティバル シーズンの売れ行きも微妙ですね。 インドの下支え無しの今年の秋相場はさてどうなるのでしょう。中国は絶好調のようですが
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