3連休明け6月20日のNY金は4営業日ぶりの反落となった。早朝に発表された米住宅着工件数が昨年4月以来、1年1カ月ぶりの高水準となったことを受け、FRBによる追加利上げ観測の高まりを背景に売りが膨らんだ。
NYコメックスの通常取引は前週末比23.50ドル安の1947.70ドルで終了した。 3連休明け20日のNY時間外アジアからロンドン、NYの早朝にかけては方向感なく1960ドルをやや上回る水準を横ばいで推移していたが、早朝の住宅着工のいわばサプライズで20ドルほど水準を切り下げた。終盤にかけても目立った押し目買いが入らず時間外取引も1950ドル割れで推移し、1948.10ドルで終了した。
21日はここまでNY時間外のアジア、ロンドンと1940ドル台の狭いレンジで動きなし。本日の下院銀行サービス委員会でのパウエル議長の公聴会は、日本時間今夜11時から開始される。米経済の現状と見通しに次いで金融政策の方針に振れ質疑応答という流れか。
昨夜の5月の住宅着工件数は、年率換算で前月比21.7%増の163万1000戸と昨年4月以来、1年1カ月ぶりの高水準となった。4月の140万戸から139万戸に減少が見込まれてた(ダウ・ジョーンズ)が、予想外の大幅増となった。伸びは2016年来で最大となる。先行指標とされる建設許可件数も前月比5.2%増の149万1000戸と、予想142万5000戸を上回り昨年10月来で最高となった。
この内容を受けてGDPの予想で知られるアトランタ連銀のGDP・Nowは、米商務省が発表する国内総生産(GDP)と似たモデルで算定していることで知られる。5月の住宅着工の結果を受けて4-6月期GDPの見通しは、20日1.8%伸びから1.9%伸びに上方修正された。
それにしても新幹線や航空便など長距離交通機関が混んでいる。インバウンドだけでない、人が動き始めており、動けば必然カネを使うので経済は回る。先日、甲子園球場など雨で流れた試合の予備日を急遽月曜日に設定し、試合をやっていたが、4万2000人を超える満席状態で驚いた。春先のWBCなどで野球に関心が高まったのと、タイガースというバイアスがかかりやすい球団であるのは割り引くとしても、押し込められていた動きが同時に噴き上げているということか(いわゆるペントアップ・ディマンド)。 同じようなことが、器の大きい米国て過去1年続いてきて、それがFRBをも戸惑わせる米経済の底堅さ、息の長さになり、引き締めをやり過ぎの領域に入らせるのだろうと思い見ている。
いずれにしても本日はパウエル発言が目先の流れを決めることになりそうだ。