亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

前例のナイ通貨の、前例のナイ展開に、前例のナイ金価格の・・・・

2005年06月11日 15時49分14秒 | 金市場
結局、ユーロは1.210ドルに迫り年初からの安値を更新して今週を終わった。急激に売られた後の戻りを見て今後を判断、と思っていたらば戻らないで単にズルズルと落ちていった。一生懸命踏ん張っているのだが、あれやこれや悪材料となるものを探し出されては売られているイメージ。“蟻の一穴から堤防が決壊”ということにはならないと思うが、前例のない通貨の前例のない展開に市場は“否決”の影響度合いを手探りで進んでいるため織り込めないのだな、と妙に納得。しかし、今でも思い出すのがシラク大統領のTVでの敗北宣言の折の表情。まさに「意は言外に有り」。国民は否決を選んだのです、民主制の下、それに政府は従いフランス政府は憲法条約を批准しないことになりました、と語りながら目は“皆さんは、なんという選択をしてくれたのか”と言っているように見えた。

それにしてもドル建て金価格は見事に復帰してきたね。NYで429.3ドル。テクニカル上426.8ドルを越えられないとホンモノとは言えんね、という声が聞こえたかどうか、しっかりクリアしてきた。目先の利食い売り、戻り売りをどうこなすか見ものとしたけど、こっちはこなして来た。今朝海外の市況を読んでいたら「金のユーロ離れ」とか騒いでいる・・・・ははは、遅いよ。
ユーロ年初来安値更新ということは「ドルは高い」んだけど、我関せず状態のドル円まで上昇して108円ミドルで帰ってきた。これで来週の国内価格は、“あらら、気が付いたらこんな所まで来ていたのね”状態だ。「テクニカル上は総売り状態で買い目なしだけどファンドが手仕舞っているここは逆に買い」と先月複数の媒体に書かせてもらったけど(ここでも)、ここまで早いとは思わなかった。来週は為替のフォローもあり円建てで第1目標点到達か。上昇トレンドの中では、しまったと思ってもお迎えが来てくれるものです。

しかしどうして買われているのかが問題。内部要因からの答えは、ショート・カバー(空売りの買戻し)。これは何だか実体が無さそうで頼りない。ならばカバーに走らせるものは何なの?というと、需給関係の良さでしょう。足元はユーロ離れしてドルに戻っている資金のうちドルに素直に行きたくない資金が回っているということ。もろに通貨的側面で買われているのではないだろうか。つまり前例のナイ通貨の、前例のナイ展開に、前例のナイ金価格の展開も、アリなのだ。
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