社会主義市場経済の真骨頂の体現とでも言うべきだろう。
株式バブルの維持に政府がなりふり構わず乗り出した中国。
先々週の前半までは、株価急落にも証券監督管理委員会の報道官は「これまでの過度な上昇の調整」と話していた。それが週末に掛けて下げ幅がさらに広がったところで、27日土曜日に人民銀行が(4度目の)利下げを発表。
この時は株価対策!?と思った方は多かったろう。その通りだった。
しかし、(これまでも見られたが)中銀が株価対応で金融政策を発動?・・・、しかも今回はあからさまに・・・。大丈夫か???という印象は拭えなかった。
ところが、緩和策の効き目は初日の数時間で切れてしまう。
節目の上海総合株指数が4000の節目を割れた辺りから乱高下が大きくなったので、何らかの実弾介入でもしているのだろうと思っていたが、それも押し切られる形で取引が終わったのが先週末。
報道されているように、中国はこの週末に驚きの株価下支え対策を発表した。
政府の意向を受けて証券業界が資金を出し合い総額1200億元(約2.4兆円)以上もの資金をETFの買いに回すと。そして指数が4500に戻るまで売りは禁止とのこと。ファンド協会も株に回す資金を大幅に増やすことになったと。日経が報じるところでは、証券各社には7月6日の午前11時までに買い付け注文を出すようにとの連絡が来ているらしい。
政府のなりふり構わぬ方針を感じさせるのは、先行して1日に不動産も株の信用取引の担保に認めるとのお達しが出ていること。
これは驚きというか、あきれてしまうお達しではある。証券会社はどのように不動産を評価するのだろう。そんなノウハウを持ち合わせているのだろうか。にわかにそんなことを言われても困るだろう。まさに株で(直接的に)家屋敷を失う例が増えるということになる。
他にも担保の範囲を広げる規定変更も急遽決めたというから、政府の本気度はホンモノだが、国家挙げての相場操縦が始まろうとしているわけだ。
社会主義市場経済ならではということだが、結局、危機の先送りにすぎないと思うのだが、どうなるか。
マイナス金利が生まれたりと、いろいろ起きるが、すごい展開になってきた。しかも、この話、ギリシャの究極の選択とタイミングが重なるところが悩ましい。これも歴史の綾(あや)ということだろう。