亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

12月の米雇用統計 平均時給が前年比2.9%上昇

2017年01月06日 23時05分46秒 | 金市場

昨年末の12月27日にここで、次のように書いた。

「ショートがさらに膨らみ続けるには、この上さらに長期金利の上昇とドル高の組合せが必要になると思われるが、それは昨日書いたように、各所に“歪みが溜まる” 金融環境となるわけだ。クリスマス休暇明けに軽い調整局面が訪れるならば、金市場では内部要因からはショート・カバーが出やすい状態といえる」

米大統領選後の米長期金利とドルの上昇に逆行する形でファンドの売りに急落した金だが、それはロング(買い建て)の手仕舞い売りと新規売り(ショート)というダブルの売り物による急落相場だった。その流れの中で、本来は値ごろ感からも現物買いに入る中国やインドの買いが、それぞれ独自の事情から入らなかった(正確には、入れられなかった)ことが下値を深くした。

一昨日のラジオNIKKEIの番組でも話したが、11月9日以降12月27日までの間にショートはグロスで重量換算にして約130トン増えた。先安観に傾いた金市場では、トランプ・ラリーに調整局面が訪れるタイミングで、この膨らんだショートの買戻しが入りやすいとしたわけだ。年明けの金市場でみられているのが、まさにこのショート・カバーによる、軽い“踏み上げ相場”ということになる。

5日の市場ではドルが全面安状態となったが、年始から先行して長期金利(米10年債利回り)は低下してたので、遅れてドルが売り込まれたことになる。この場合、ドル・インデックス(DXY)でみるのがわかりやすく、5日は、前日の終値102.51から101.39へ急落状態となっていた。3日には2002年12月以来の高値103.82まで上昇していたので、久々の急落といえ、その裏側でNY金は1180ドル台ミドルまで買われることになった。

さて今夜は12月の米雇用統計。5分前に発表になった結果は、前月比の雇用者増加数は市場予想17万5000人増に対し、15万6000人増となった。前月の数字は17万8000人増から20万4000人増に大幅増額修正となった。数字の出方としては前日のADP民間雇用の結果に似ている。雇用は、依然として伸びているが、減速気味ということか。失業率は、前月の4.6%に対し予想は4.7%、結果も4.7%となった。

目を引くのが、賃金の上昇。平均時給は前月比で0.4%の伸び。予想は+0.3%だった。これを前年同月比で見ると+2.9%で前回の+2.5%を大きく上回っている。失業率からは完全雇用に近づいているとされ、この後はいずれ賃金上昇につながるとされてきたが、それが目立った動きが起きないでここまできていた。ただし、2.9%は目立って上がったということになりそうだ。

つまり先月のFOMCが、今年の利上げ回数を2回から3回に引上げた見通しを後押しする結果といえる。債券が売られ(金利は上昇)、金市場も売り優勢の流れに転じている。やや、年始からの流れに水を差された形だ。



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