注目の米8月の雇用統計。前月比の雇用者数の増加は市場予想の平均が18万人。ただし、20万人増を予想したところも多かった。20万人超となっていれば3ヵ月連続で20万人超となるところ、今回7月の数字が当初の20.9万人から18.9万人に下方修正されることに。
逸れに加え失業率も4.3%の予想のところ4.4%に上昇つまり悪化となった。雇用者数の下振れよりもこちらの方が意外感はあった。・・・で注目の時間当たり賃金は、前月比0.2%増の予想に対し0.1%増と鈍さが継続。前年比では2.5%増とこれは前月と変わらず。一向に物価上昇2%に見合う3~3.5%超への気配も見えずという感じ。
この内容にドルも金利も金も即座に反応し、ドル安、金利低下、金高となったが、買いが一巡すると上げ幅、下げ幅を縮小し、そこからまた現時点ではジワジワと当初反応の方向に移行中。NY金については、8月29日の北朝鮮ミサイルの際につけた1331.90ドルを超えて年初来高値を更新している。
今夜はこの後に発表が控えるISM製造業景況指数と8月の自動車販売台数もどうなるか。自動車はやはり減少傾向継続と思われるが。
今週末の米国は、レイバーデー(労働者の日)で9月4日が休みとなり3連休となる。来週5日は名実ともに夏休み明けということで、例年、市場の動きも大きくなるタイミングでもある。
米国議会も5日から審議を再開するが、9月中の審議日程が下院が12日、上院が19日と少ない中で、10月から新年度入りするにあたって予算案あるいは暫定予算案を月内に決める必要がある。さらに今年は、連邦債務上限引き上げ問題が加わっており、議会の動向に例年以上に関心が向けられることになる。市場の関心材料として注目が高まるのは月末だが、まずは週明け再開後の議会の動向が注目される。限られた時間の中で、政策の優先順位についてのすり合わせもうまく行っていないようで、どうなるか。
金は強そうだが、本日発表のCFTCにデータで、かなりロングが増えていそうだ。内部要因的には重くなりそう。
8月19日の日経新聞に「米労働市場に異変」と書いてありました。副題は「薬物まん延、政権の課題に」と。経済環境が不安定だと労働市場から落ちこぼれる人も多くなるから切ないと思いました。日本でも若い人の離職率が高いと言われます。