亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

静かに通過した日銀、混乱伝えられるイランはリアルをゴールドに

2018年07月31日 20時54分35秒 | 金市場


本日の日銀の政策決定会合は、ほぼ事前にあれこれ指摘されていた内容が盛り込まれることになった。物価見通しを2020年度まで引き下げ、それにより超低金利環境は続くことを示すという手法に。(株式)ETFの購入が拡大する中で、日銀が実質的な筆頭株主になる企業も出るなど弊害が指摘されていることから、買付けするETF銘柄のシェアの変更も、予想通り発表された。そして、長期金利(10年債利回り)の変動については、これまで固定的な水準での無制限指値オペで“金利上昇断固阻止” のスタンスを緩め、「弾力的に買い入れる」ことに。つまり、上にも下にも変動幅が出ると。ガチガチのスタンスから、多少“ハンドルに遊び”が生まれることに。

為替市場は反応に苦慮という感じの動き。昨日、ある通信社の編集者の方とマーケットの反応についてあれこれ電話で話した際に、やるなら、ドルが強い今がいい環境との話が出て、確かにそうですなぁ・・と。円高に振れなかったのは、そういう要素もあるのだろう。“年80兆円をメドに弾力的に買う”国債にしても、ETFにしても、テイパリング(tapering)、徐々に終息ということか。ここまでのところ反応としては、大山鳴動してネズミ一匹状態。

30日は、主要な経済指標の発表のない中で、政治的な話題が話題を集めた。主役は言わずもがな、のトランプ大統領。ホワイトハウスでの会見中に記者の質問に答え、イランのロウハニ大統領と無条件に会談する用意があると発言。特に戦争のリスクがあるケースでは、「会談を信じている」とし、「彼らが合いたいなら、私は会う」とした。イランに対する経済制裁の再開の第一弾が8月7日に実施される予定となっており、来週には両国間に何らかの動きがあると見られる。すでにイランからは、通貨リアルの下落や国内経済の混乱が伝えられている。手持ちのリアルをドルに替えるのが難しくなった市民が、金に替える動きも目立っているとされる

実は金に替える動きは、年始から始まっており、1-3月期のイランの地金と地金型コイン需要は、9.3㌧で前年同期比で250%増となっていた。もともと宝飾品自体が投資・退蔵目的もあり主流だが、8四半期連続拡大の後に2018年1-3月期は16%減の10.7㌧となっていた。5月に米国が核合意から離脱したので、4-6月期の方が膨らんでいる可能性が高そうだ。

今夜はPCE(個人消費支出)コア・デフレーターなど注目指標が多い。

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