亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金価格、初の2000ドル突破から1年 

2021年07月27日 21時04分52秒 | 金市場

本日は夕刻16時30分からラジオNIKKEI生番組「マーケット・トレンドPLUS」のスタジオ出演だった。内容についてはPodcastにて、いつでも聴いてもらえます。

放送開始20分ほど前から本日取り上げたい内容について、こちらから大橋アナに伝え、軽く打合せというのがルーティーンとなっている。 その最中に、本日の東京の新型コロナ感染者数3000人という話が飛び込んできて、ええ!?ということに。至急ディレクターが確認してくれて、速報段階でNHKが2500人以上、時事通信社が3000人程度とのことだった。いずれにしても、感染が一気に膨らんだおいうニュースでザワザワという感じで番組はスタート。

あっという間の14分間だが、まぁ、かなり盛り込んだ内容となった。

ちょうど打合せにて、ワクチン接種で大きく先行している米国で2回の接種が終わっていながら感染する「ワクチンブレークスルー(突破)型」の感染が増えているという記事を昼間読んでおり、その話を出したところだった。日経の記事だったが、ワクチン接種してから抗体ができる2週間を経過したにもかかわらず感染することは「ブレークスルー感染」とも呼ぶということだった。NYヤンキースの6人の選手の感染が判明し、「ほとんどが接種を完了していた」という。 ワクチンの変異については事前に予想はされているし警戒もされている。デルタ株について、ここまでは感染しやすいということが前面に出ていたが、「ワクチンブレークスルー」となると、一般の受け止め方、ひいては市場の受け止め方も変わってくる。

もっとも、インフルエンザのワクチン同様、打ったからOKというわけではないのは、わかっている。それでも93%有効などというデータが当初は流れており、相応に予防効果は高いことは安心感につながっていた。

本日の番組の最後で、金価格の今後について聞かれた流れで、ちょうど1年前の今頃、金は新値街道を走り2000ドルを突破した際の背景に、新型コロナウイルスの感染第2波のタイミングだったことを話した。

3、4月に一気に感染が拡大した際に米国政府もFRBも夏までにはいったんは下火になり終息することを前提にしていた。今となってはワクチンもない中でのことだ。もっとも時の米国大統領は、単なる風邪だから暖かくなると消えてなくなると吹聴していたほどなので、対応も緩かったということか。失業保険の連邦政府による上乗せ支給は7月末で切られていた。またFRBによる企業支援策も9月で切られる予定となっていた。

それが6月下旬から7月に入って以降の感染急拡大で、これは!ということになった。予想以上に収束に時間が掛かるということは、金融政策上も経済対策上も誤算を抱えることになる。市場では長期債が買われ米長期金利は0.5%まで低下。当然実質金利はマイナスの深掘りのようなかたちでマイナス1%程度まで落ち込んだ際に、金市場では一気に買いが膨らみ新値を更新し、2000ドルを突破、そのまま2100ドルに接近する水準まで上値を伸ばしたのだった。

週明け26日の市場で、米実質金利が一時マイナス1.12%まで低下し、過去最低を更新している。しかし、6月のFOMCを受けて叩き売られたような形のNY金の反応は鈍い。2013年のテーパリング時の動きや、先月6月の展開がトラウマになっている印象だ。

本日のラジオNIKKEIマーケットトレンドPLUSは以下のサムネールをクリック 約14分

 

さらに昨日収録で先ほど公開したばかりの動画、YouTubeバージョン(エピソード#8)、今回はポイントのタイミングゆえに長編28分バージョンに。

こちらも以下のサムネールをクリック

 

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