亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

戻り高値更新にはハードル高いNY金

2021年12月28日 21時11分19秒 | 金市場

クリスマスの連休明けの12月27日はロンドンなどもまだ休みで、雰囲気としては休暇中という感じだった。金市場は目立った動意はなくレンジ相場だが、NY金は1800ドル台は維持した。1803.60~1814.60ドルのレンジで、ほとんどマイナス圏での値動きで2.90ドル安の1808.80ドルで終了となったが、通常取引終了後の時間外にプラス圏に浮上し28日のアジアに引き継がれた。

元気があったのは伝えられたように株式市場で、S&P500種はこの年末の土壇場でも4日続伸の上で連日の最高値更新は、ベンチマークをこの指数に置いているファンドや年金などが多いので、なかなか大変。必然的にIndex運用に傾くのだろう。他の株式指数も高値圏という無類の強さ。27日は米長期金利に目立った変化はなく、ドル指数はやや強含みに推移した 程度。

株式市場が買いの手掛かりにしたのが、米クレジットカード大手・マスターカードが前日に発表したデータだった。おおむね予想は付いたが、年末商戦はオンライン消費(電子商取引、EC)の急増で小売売上高は好調だったと。11月1日─12月24日のカード利用状況からはじいて小売売上高は前年比8.5%増加。新型コロナ前の2019年比でも11%増で、ECに限れば60%増と実店舗からオンライン消費への流れが鮮明となったと。たしかにECはオミクロン株拡大の影響は受けにくい。もっとも、それはモノの消費限った話。症状は軽いとされるが、欧米では伝えられているように感染爆発だが、規制強化については限定的で市場は楽観視という感じ。果たして、どうなるか。

本日のアジア時間からここまでNY金は水準を切り上げロンドン午前の段階で1810ドル台半ばで推移中となっている。ドルインデックスが弱含みで96ポイント割れを試すような動きの中でのこと。

先週、クリスマス明けから年末にかけて上値を試すことが多く、今回もそうなるのではと思っていると書いたが、どうなるか。水準としては終値(清算値)ベースでこの上は11月19日の1851.60ドルとなるので、戻り高値を狙うとなるとまずは節目の1850ドルを越える必要がある。さらに戻り高値更新となると1870.20ドルを越える必要がある。この水準は、バイデン大統領がパウエル議長再任表明をする直前のもの。つまりインフレファイター(タカ派)転身を印象付ける前に位置していた高値水準となる。

現時点では手掛かり材料は少なく可能性は低い。もっとも、「理外の理」というのも相場ではよくある話ではあるが。

今回の年末年始のNY市場はカレンダーどおりの展開ゆえに、日本が正月気分の年明け第1週は、重要指標目白押しにつき何らかの動きは出そうだ。今年は春から大荒れだぜい!にはならないと思われるのだが。

12月21日夜に更YouTubeのバナーを参考までに以下に再掲しておきましょう

初見の方は以下をクリックあれ

 

 

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