亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

経済指標(雇用統計)への反応も複雑骨折・・・・・素直になれないマーケット

2015年09月04日 23時29分37秒 | 金市場

昨夜ここで8月の雇用統計について、雇用者数の増加数について下振れ傾向が高く過去18回中14回予想を下回っているということを書いた。早い話が過去18年で14年予想を下回ったという話。8割・・・正確には77%の出現率となると当然今回も、ということになるが、果たして結果はそうだった。1時間ほど前に発表された前月比(非農業部門)雇用者の増加数は17万3000人だった。予想は22万人だった。心理的な節目というと大袈裟だが、マーケットが基準に置いている20万人を割ることになった。しかも、結構深く。

昨夜は8月速報値が“下振れる”ことが多いということで、例として18万人台くらいの数字が出ても不思議はないとしたが、その数字を1万人程度下回る結果となった。興味深いのは金市場の反応で発表直後は一気に買い優勢に転じ1121ドルから1130ドルに接近するところまで買い上げられ、その流れが一巡すると逆に売りを浴び1120ドル割れの水準まで値を消している。

発表された予想を大きく下回る17万3000人増に初期反応では買いが入り反発。一巡後には売り優勢の中で反落という流れ。しかも下げは(現時点で)このところのレンジ下限の1120ドルを割れるところまで来ている。テクニカル的には1117ドルがサポートになっているが、ここまでの所はそれを維持。

ところで今回雇用者数は速報値に対し6月は1万4000人、7月は3万人も上方修正されている。つまり、そもそも8月の数字は後に上方修正されることが通常月より多い。となると、17万人台は1ヵ月後に上方修正されるわけで、それほど重大視せずともいいというわけか・・・・。もちろん、上方修正されると決まっているわけではないが。そこまで背後に隠れた要素も読んでの反応となると、まことにややこしい時代ではある。

ちなみに8月の「労働参加率は3ヵ月変わらず62.6%で1977年低レベルで動かず。昨夜の下方修正されたECBのインフレと経済見通しではないが、こちらも調査日は今回の金融波乱が起こる前の時点でのこと。

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