亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金は1130ドル前後に位置する200日移動平均線の攻防

2016年02月03日 23時02分41秒 | 金市場

昨夜はここに1日の市場が原油の値動きに連動しなかったことを書いたが、2日はそれが復活。リスク・オフに大きく振れ、米国債にまとまった資金移動があり利回りは軒並み低下ということになった。

米国債10年物が買われ価格が急騰。つまり利回りは急低下して一気に1.9495から1.839%に下がることになった。先週1月26日火曜日に2%割れとなり注目されたが、利回りの低下は国債が買われ価格が上昇していることを表す。意味するのは、安全資産と目されている米国債に一気に資金が移動したこと。1.839%の水準は昨年4月半ば以来のことだった。1.9%を割れたところから、債券市場ではファンドの買戻しの動き(ストップ・ロス)に拍車がかかり急騰(ショート・カバー・ラリー、利回り急落)となった。

2日はすべての年限の利回りが低下し、FRBの政策に一番敏感に反応するとされる2年債は0.75%となった。昨年末の直近のピークは1.10%でそこから0.3%(30bp、ベーシスポイント)も下げたことになる。この結果2年債と10年債の利回り格差は2008年1月以来の最小に。長短金利の接近をフラット化と呼んだりするが、FRBの利上げが遠のいているという印象を与えるもの。本日も債券相場は買い優勢で始まったが、この時間にはやや売りが勝っているようで利回りは上昇気味。

この米国債を急騰させた資金移動は、金市場ではETFの残高が目立って増えるという形で表れており最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」の残高は昨年11月始めの685トン台まで回復している。

金価格は1130ドルの攻防戦のような形になっているのだが、この1130ドル前後の水準は、ちょうど200日移動平均線が位置しており、テクニカル上の節目となっているところ。この水準を上抜くと1150ドル方向への動きが出てくることになりそうだ。




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