NY市場の金価格は続落となった。NYコメックスの先物価格は前日比20.5ドル安い1536.60ドルで取引を終了した。これで過去12営業日中11営業日下げたことになる。一方で、主要通貨に対するドルの総合的価値水準を示すドル指数は12営業日連騰となり4ヵ月ぶりの高値となっているので、ちょうどドル高の反対側で金が急落しているといえる。16日のNYコメックス通常取引の終値水準は、2011年7月11日以来のものとなる。というのも昨年9月の史上最高値更新以降の安値(1523.9ドル)を記録したのは2011年12月29日のことだが、この日の終値は1540.90ドルとなっており、16日の終値は上記のようにそれを下回ったことになるからだ。さらに話を進めると、16日の安値1526.70ドルは、昨年の高値から20%安の水準を下回るもの。一般的に株などでも高値から20%を下回ると弱気相場(bear market)入りと判断する大まかな見方がある。ちょうど16日の価格水準がそれにあたる。もちろん絶対的な判断基準ではない。
続落した背景は、すでに内外メディアがそろって取り上げ始めたギリシャの再選挙実施と同国のユーロ圏離脱の話。さらにこの現象がギリシャに留まるのか否かにつき確信を持てないことが、不安心理を増幅していること。ただし16日の取引では、独仏首脳の初会合を受け、売り一巡後には買戻しの動きも見られたものの、取引終盤に向けて売り直される形となった。
この日は週初に指摘したように4月に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録要旨が発表されたが、それはNYコメックスの通常取引終了後のこと。それによると、「メンバー数人は、成長の勢いが失われたり、景気見通しへのリスクが増大した場合には、回復への軌道を維持するため追加的な行動が正当化され得るとの認識を示した」となっていた。これは、いわゆるQEⅢに関する議論だが、前回FOMCよりもやや積極派が増えたことが、金市場にはプラスとなる。実際に17日のNY時間外では1650ドル台に値を戻しているのは、この材料が効いたと見られる。見通しがトーン・ダウンしたのは雇用統計をはじめ最近発表される景気指標に減速を示すものが増えたことによると見られる。
追加緩和の実施期待が、足元の金価格を支えているが、時間の経過とともに相場に織り込まれているのは否めない。今後の金価格の戻り相場には、米国財政の先行きなど追加的材料が意識される環境となって初めて、力強さが出ると見られる。
続落した背景は、すでに内外メディアがそろって取り上げ始めたギリシャの再選挙実施と同国のユーロ圏離脱の話。さらにこの現象がギリシャに留まるのか否かにつき確信を持てないことが、不安心理を増幅していること。ただし16日の取引では、独仏首脳の初会合を受け、売り一巡後には買戻しの動きも見られたものの、取引終盤に向けて売り直される形となった。
この日は週初に指摘したように4月に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録要旨が発表されたが、それはNYコメックスの通常取引終了後のこと。それによると、「メンバー数人は、成長の勢いが失われたり、景気見通しへのリスクが増大した場合には、回復への軌道を維持するため追加的な行動が正当化され得るとの認識を示した」となっていた。これは、いわゆるQEⅢに関する議論だが、前回FOMCよりもやや積極派が増えたことが、金市場にはプラスとなる。実際に17日のNY時間外では1650ドル台に値を戻しているのは、この材料が効いたと見られる。見通しがトーン・ダウンしたのは雇用統計をはじめ最近発表される景気指標に減速を示すものが増えたことによると見られる。
追加緩和の実施期待が、足元の金価格を支えているが、時間の経過とともに相場に織り込まれているのは否めない。今後の金価格の戻り相場には、米国財政の先行きなど追加的材料が意識される環境となって初めて、力強さが出ると見られる。