亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

戦い済んで日が暮れて・・・

2005年09月17日 18時55分46秒 | 金市場
やはり金市場の上昇圧力は衰えず連日の高値更新でスポット価格(現物)まで一時は460ドルを超えてきた。昨夜は経過を眺めていたが、さすがに460ドルに乗せてからは押し戻され一時は上げ幅を帳消しにするかと思わせたが、その小緩んだところを再び買い上げる向きがいて、結果的に459ドル台ミドルで落ち着いた。

NYコメックスの12月ものは463.3ドルとこちらも60ドル手前で利食い売りが出たが跳ね返してほぼ高値圏で終了。節目突破で勢い付いたモメンタム相場。日本時間の今朝発表されたNYコメックスでのファンドの買い残(ネット)は少し増え394トン。残の多さは昨日書いたように回転が利いたことで影響は軽減されたが、調整を先送りすることに。
この週末は冷静になるいい機会だろう。

この日は4-6月期の米経常収支が発表されたが、1956億ドルの赤字となった。そのまま史上最高の赤字になるところだが1-3月期の数値が同時に上方修正され1986億ドルとなり結果として前期比1.5%減、つまり改善方向となった。とはいえこの比較にはなんの意味も無く、相変わらず空前の赤字(ドル)を垂れ流しているということ。上半期(1-6月期)の赤字は3943億ドル(約43兆円)と過去最大更新中。

ただし8月の貿易赤字を見て思ったのは、やや景気に陰りが出てきているのでは、ということ。したがって年末に向けてこのペースでドンドンというわけではないかもしれない。4-6月期の資本収支(米国へのマネーの流出入)は差し引き1423億ドルになっているので、赤字は拡大してもドル相場は変調をきたすということには至っていない。しかし赤字のGDP(国内総生産)比は6.3%に達しており他に懸念事項が出てくるとこの数字は共鳴現象さながら材料性を帯びると思われる。

つまり市場も米国の赤字には慣れが出ているし、“巨額だが何とかなるんだろ”程度の認識で問題にすることなく過ぎているが、減る傾向にあった財政赤字が再び増加傾向などということになると、また赤字問題に関心が移りドルが売られるということに。だからポスト「カトリーナ」からも関心が離れない。

今週はドル高傾向のなかで金市場はよく動いた。「騒がしくなってきた」と書いたが、いまは週末でホッとする。無意識に神経がピリピリするのだ。
この半月の経過をココで確認。

家の近所では8月末頃から毎週近隣の町内会で祭りがあり神輿が繰り出している。今日も神田川沿いを歩いていたら子供神輿に出くわした。もう9月も中旬。東京は急に涼しくなった。
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