週末に米政府組織のCFTC(商品先物取引委員会)が公表した7月11日までのデータでは、金先物取引におけるファンドの買い越し量が、5週連続で減少していることが目に付いた。オプション取引を除いた重量換算で187トンと2016年1月以来の低水準となっている。6月6日以降、ファンドが買い建て(ロング)を減らす一方で、売り建て(ショート)を急増させているのが特徴で、ショートだけをみると490トンと最大規模に膨れ上がっているのが特徴。将来の下げを見込んで、これだけの量をいわば“空(カラ)売り”しているのだが、その中で金は1200ドルを維持したのは、実需のサポートがあってこそ。
それにしても、6月27日にポルトガルで始まったECB(欧州中銀)の年次総会で欧米の中銀が声を合わせて緩和策の終了を示唆し、欧州発の長期金利の上昇が米国金利の上昇へと飛び火して以降の2週間に、ファンドはショートを一気に積み増していたことが明らかになった。
そして1200ドル接近のタイミングで、トランプJrが何を勘違いしたか、ロシア関連のメールを自ら公開し傷口を広げ、週末には米6月のCPIがわずかながらもマイナス(メディアは横ばいと報じた)となり、売り方は梯子を外されることになった。まずは(ショートカバーで)、どこまで戻れるか。
すでに1週間前の7月11日にもショートについては、ここに書いた。
http://blog.goo.ne.jp/msi021112/e/977e65cd23f344041377d38a53f581f3?utm_source=admin_page&utm_medium=realtime&utm_campaign=realtime
しかし、この静かな市場環境で、売りも売ったり・・・という感じだ。ドル円のロングと、NY金のショートという組合せか。Fed(FRB)には逆らうな、ケンカするなとは言われるものの、そのFRBも過去それなりに間違いを犯してきているのも事実で、とりわけ過去数年は想定外の連続だったといえる。