亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

節目の6月入り

2012年05月28日 20時22分06秒 | 金市場
本日のNYはメモリアルデー(戦没者記念日)で休み。焦点は引き続きユーロ圏情勢。ギリシャのユーロ離脱を想定した個別のシミュレーション作りが欧州各国で伝えられるのは、想定できるシナリオを検証するのは当然のこと。25日はスペインでは人口の多いカタルーニャ州が資金調達について中央政府の支援が必要と伝えられたことからユーロが売り込まれた。対ドルでは抵抗ラインとされた1.26ドルを割れたところから下げが早くなったということか。このドル高の中で金は上値を抑えられた。ユーロは結局2010年7月以来の1.25ドル割れに。

先週末、スペインの大手行バンキアに対する政府資金の必要額が190億ユーロ(約1兆9000億円)に上ることが明らかになっている。資金供給を要請した同株は、25日は売買停止に。いわゆる情報の周知徹底という措置。そして本日の取引開始から27%程度の急落で始まった・・・といっても株価は既に売り込まれ1ユーロ台の破たんを織り込んだ水準。ここに至り業績も下方修正で赤字となると伝えられている。バンキアだけではなく、なんとか我慢していた不良債権予備軍を不良債権として計上するにしたがい、不動産価格が下がり苦しくなるという構図か。スペイン政府が公的資金の手当てをどうするのか。以前から予想されているのが、こうした負担がますます政府を追い詰めるというシナリオ。今朝の一部海外報道では、政府がバンキアに新規国債を渡し、それを同行が市場で売却し、あるいはECBに持ち込んで・・・・などという案が報じられていた。なぬ~~!!という話だ。この案はないでしょう。

今週は月初に付き、さまざまな経済指標が注目材料になる。

言うまでもなく最大のものは6月1日に発表される米雇用統計。19、20日に開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)の判断材料のひとつになる。そのFOMCにしても直前にギリシャの再選挙が加わった。新たな変数が加わっているわけだ。29日米3月のケースシラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数、31日、米1-3月期GDP(2次速報)、1日米5月の ISM製造業景況指数などいろいろあるが、番外編として31日に例のEUの新財政協定への参加をめぐるアイルランドの国民投票が行われる。仮に反対となると、それを市場はプラスとするかマイナスとするのか。後は30日を中心に米地区連銀総裁数名の講演会などもある。今週は節目の6月入り。

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