亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

下ヒゲの長い日足、NY金のリジリエンス(下げ耐性)

2023年06月16日 19時52分04秒 | 金市場

さて15日のNY金だが、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の時間外取引、さらに同じくNY時間外の15日アジア時間に大幅安となり、一時1936.10ドルまで売られることになった。

FOMCではメンバーによる金利・経済予測が発表され、年末までに0.5%の利上げを想定していることがサプライズとなった。 ただし、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は、記者会見にて7月の次回会合は開いてみないと結果が分からない「ライブ」な(状況により内容が大きく振れる)FOMCになると発言。積極的な引き上げよりも、むしろここまでの累積利上げ効果の検証に時間を取りたい旨の意向と受け止められた。

市場ではいわゆるドットチャートにて2回の利上げが示されたにもかかわらず、年内1回を想定するなどFRBとの間に再び温度差が生まれている(特に株式市場)。

 

こうした状況を映すように15日のNY時間に入って以降、NY金は急速に下げ幅を解消し昼前にはプラス圏に浮上。終盤は1970ドル前後での推移となりそのまま終了した。前日比1.80ドル高の1970.70ドルで通常取引は終了した。

NY時間の朝方に発表された前週10日までの週次の新規失業保険申請件数は26万2000件と市場予想(24万5000件)を上回った。前回分も小幅に上方修正され、市場では労働需給が緩む方向にあると受け止められた。10年債利回りは低下し、あわせてドルも主要通貨に対し売られたことが金の反発につながった。

 

欧州中央銀行(ECB)がこの日の政策理事会にて8会合連続の利上げを決め、ラガルド総裁は7月も利上げを継続する姿勢を示したことが、ユーロドル相場を押し上げた。ユーロは一時1.955ドルと5週間ぶりの高値を付け、対円では一時、2008年9月以来の高値となる153.68円を付けた。ドル指数(DXY)は一時5週間ぶりの安値となる102.091まで下げ、102.115で終了した。ちなみにECBは、リファイナンス金利を3.75%から4.00%に、中銀預金金利を3.25%から3.50%に引き上げた。預金金利は22年ぶりの高水準となった。過去1年間での利上げ幅は4%で、過去最速ペースでの引き上げとなった。

 

そもそもDXYは昨年9月下旬から10月上旬にかけてピークを付けたとみているのだが、2月や5月中旬以降今月上旬のような戻りに際してNY金が売られているという指摘もできる。トレンドは下向き、すなわちNY金は上向きという見立てになる。

本日はFRBウォラー理事の講演がある。

FOMC直後でFOMC後のパウエル議長記者会見との温度差があるのか否か。あるとすればどの程度かに注目している

日銀は黒田処理に時間がかかっている。困ったもんだ

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