館林のアメダスの観測地点が移設、そのデータが開示され5日が経過した。このデータを見ると消防署の旧ポイントの最高気温が、館林高校の新ポイントよりすべて高いわけでないことが分かる。
月日 |
館林地区消防本部 |
群馬県立館林高校 |
気温差 |
||
最高気温 |
時刻 |
最高気温 |
時刻 |
||
7月2日(月) |
37.5 |
14:31 |
36.7 |
15:05 |
0.8 |
7月3日(火) |
37.1 |
13:43 |
36.4 |
13:25 |
0.7 |
7月4日(水) |
33.5 |
14:04 |
33.5 |
13:59 |
0.0 |
7月5日(木) |
27.8 |
16:41 |
28.1 |
14:07 |
-0.3 |
7月6日(金) |
22.8 |
12:51 |
23.0 |
9:02 |
-0.2 |
最高気温は、気温が低い日は新ポイントの方が高く、逆に、気温が高い日は旧ポイントの方が高くなっている。
これは、新ポイントは水や木々の緑に囲まれ、旧ポイントはアスファルトやコンクリートに囲まれていることが影響していると考えられる。水と岩石を比較すると比熱の関係上、水の多いところは暖まりにくく冷めにくい傾向にあり、寒暖の差が小さくなる。一方、岩石の多いところはその逆に寒暖の差が大きくなる。
新旧ポイントの気温を単純に最高気温のデータのみで回帰分析するとで次のようになる。
Y(新ポイント)=aX(旧ポイント)+bの1次回帰分析の結果は次のとおりで、Y=Xの場合の気温は28.9℃となる。つまり最高気温が28.9℃を下回る場合は新ポイントの方が気温が高く、28.9℃を上回る場合は旧ポイントの方が高いことになる。
傾きa |
0.929387 |
重相関 R |
0.999063 |
切片b |
2.0412572 |
重決定 R2 |
0.998128 |
この1次方程式の早見表は以下のようになる。
消防本部 |
館林高校 |
気温差 |
|
消防本部 |
館林高校 |
気温差 |
22.0 |
22.5 |
-0.5 |
|
31.0 |
30.9 |
0.1 |
23.0 |
23.4 |
-0.4 |
|
32.0 |
31.8 |
0.2 |
24.0 |
24.3 |
-0.3 |
|
33.0 |
32.7 |
0.3 |
25.0 |
25.3 |
-0.3 |
|
34.0 |
33.6 |
0.4 |
26.0 |
26.2 |
-0.2 |
|
35.0 |
34.6 |
0.4 |
27.0 |
27.1 |
-0.1 |
|
36.0 |
35.5 |
0.5 |
28.0 |
28.1 |
-0.1 |
|
37.0 |
36.4 |
0.6 |
29.0 |
29.0 |
0.0 |
|
38.0 |
37.4 |
0.6 |
30.0 |
29.9 |
0.1 |
|
39.0 |
38.3 |
0.7 |
この程度の気温差はどの自治体でも起きており、館林の旧ポイントが極めて高かったとするのは行き過ぎた意見である。ただし、全国一の日最高気温は僅かな温度差で決まる場合が多く、このわずかな気温差が館林を連日日本一にした可能性はある。
しかし、全国一位にならなくとも連日ベストテンに入っており、暑い街であることには変わりはない。
今後データを増やし、さらに分析をしなければ詳細は分からないが、風の影響もあると考えられる。風の強い日は空気が攪拌され気温差が少なくなり、逆に弱い日は気温差が大きななると予測される。精度を高めるためには、先ずはデータ数を増やすことが必要だ。