Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

クビャルという大音響

2008年07月02日 | バリ
 バリ滞在中、たまたま大編成のガムラン、ゴング・クビャルの練習を見学にでかけ、知人に誘われて、太鼓と小型シンバルのすぐそばに座らせてもらった。まあ若い女性ではなく、私のような「おじさん」が傍に座っても演奏者は嬉しくないだろうが、私としてはそれだけで興奮してしまう。バリでも演奏技術にかけては名の知られたグループなのだから。
 ビャーンと一斉に最初の音が叩かれる。その瞬間・・・もうぶったまげるほど驚愕した。「すごい、すごすぎる!」次のパッセージが始まるともう「耳が痛い!」。20数年ガムランを演奏し続けてきた私はもうバリで大抵なことでは驚かなくなったのだが、久しぶりになんともいえない「驚愕」を味わったのだ。
 私はこの演奏の場に居合わせたことで、調査、調査で長いことこのような大音響のゴング・クビャルが身近でなくなっていた自分に気づいた。論文を書くために調査をすることは私に課せられた仕事なのだろうが、そんな私は最近、ゴング・クビャルの本来の響きを忘れて、日本でゴング・クビャルを教えていたということか。ゴング・クビャルの音は、「青銅のシャワー」なんていう美しい言葉で表現されたりもするが、いやいや、シャワーなんて甘いもんじゃない。もう豪雨、いやいやサイクロンか?ただし、極めて「規則正しいサイクロン」であるのだが・・・。