Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

鳴らない携帯

2008年07月28日 | 家・わたくしごと
 この二週間、今までに経験したことのないほど一日に数十回携帯が鳴り、幾度もバイクを止めては道端で携帯をとった。1ヶ月ほど前、私の壊れていた携帯を見た学生に「先生、キジムナーフェスタまでには携帯買い換えてください。」とピシャリと言われて、しぶしぶ新しい携帯にしたのだが、今思えば学生の言うとおりだった。
 昨日、バリの人々が帰ってとにかくぐっすり眠った。今日から、まるで二週間の出来事が嘘だったように、学生と接し、会議に出て、本を読んで、文章を書いて、家に帰る。ぼくはまた「普通の教員」に戻った。別にそれに不満があるわけではない。
 ただバリの人々が戻った昨日から僕の携帯はぱったりと鳴らなくなった。昨日から今日まで、私がかけた電話の返事がたった一件だけ。メールは何も入らない。これだって今までと何もかわらない。ふだん私に電話をしてくる人なんてほとんどいない。友達なんて沖縄にいないもの。それが当たり前なのに、突然携帯が死んでしまったように音を奏でないと、それがとても寂しい。わかっている当たり前の現実をこんな時につきつけなくたっていいのに。意地悪な現実・・・。