Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

コピー屋

2008年07月08日 | バリ
 日本には当たり前のセルフのコピー機が、バリには全く存在しない。コピーが必要なときにはコピー屋にいくのであり、そこで必要枚数を告げるとコピーをしてくれる。必要であれば帳合作業もホチキス止めも無料でしてくれるのである。自分でやる方が気が楽、という外国人もたまにはいるそうだが、私は断然「やってもらえる」方が楽である。座って待っていればいいのだから。
 あまり大声ではいえないことだが、本一冊をコピーして製本してもらうことまで可能で、そんなときは、指定された頃合に原本とコピーをとりに行けばいい。たいていは1日あれば両面コピー、必要とあらばハードカバー製本までした「コピー本」が原本と一緒に渡される。ジャカルタのコピー屋などは、コピー本が原本に負けず劣らず美しく、コピー文化の怖さを垣間見るのであるが、バリのコピー技術はまだそこまで進んでいないらしい。
 研究者にとってそのコピー屋の選択は重要である。まず新しいコピー機を使っていること。コピー屋の大半は日本では絶対にお目にかかれないような旧式なコピーを使っているため、正直、トナーの乗り方などは最悪である。とりあえず読めればいい(時には読めないときすらある)という程度のコピーが多い。次に、店員の技量である。早くやればいいというような店員で技術がともなっていないと、当然コピーも悲惨なことになるし、平気で数頁飛ばしてコピーをするようなことが起きる。自分でコピーするときもよくそんなドジを踏むが、人に頼んだ場合、帰国して気づいたところで後の祭りである。
 毎回、信頼すべきコピー屋の情報を他の研究者からもらったり、自分で探したりするのだが、最近は写真に写した下宿の近くの小さなコピー屋を利用することが多い。二軒並んだ右側である。店員が几帳面らしく、コピーも製本も丁寧な仕上がりで、時間にもルーズさがない。まさにコピー屋も研究者にとって重要なパートナーなのである。