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かぐや様は告らせたい 第33話「藤原千花は超食べたい」 感想(ヤングジャンプ2016年52号)

2016-11-25 | ヤングジャンプ感想
                                      
                                      ラーメン道は奥が深い・・・。











一口に「ラーメン」と言っても人の数だけ好みがあって、
人の数だけ食べ方も存在する
正にインフィニティそのものなソウルフードであり、
その食べ方を極めれば極めるほどラーメン道は君の側に鎮座してくれるようになる
これは、そんなラーメン道を極めんとする中間管理職のオヤジと一人の少女による物語である!!



カワイイ。


自分の好み、ではなく
敢えて「その店で一番旨いメニュー」を探し出し、
それを最適な味付け・設定で最大限に楽しむこと
それが最も活かしたラーメンの食べ方である
長年の研鑽によってその方程式を導き出したオヤジであったが、
そんな方程式を齢高校生の段階で導き出してしまった天才少女、、、それこそが藤原書記その人であった。

更に、凝り固まった、経験を積んだが故に逆にルーティーンと化してしまいある種思考停止状態のその選択の上を往く、
「若さゆえの」柔軟で無防備、だが、確かな説得力をはらむ食べテクで藤原書記はオヤジの想像の上を往く食べっぷりを魅せつける
それは“新しい世代”が“流行”を最適な形で取り入れ、逆に通の食べ方のスパイスの一部にしてしまう・・・という
ハナっから流行りを否定して自分の殻に閉じこもっているロートルには決して辿り着けない地平であった



美味しそう。


驚くべきは、テクニックだけではなく、基礎体力の面でも藤原書記がオヤジを越えていた事だ
男でも気にする、一応出来るけど意識の中にはきっちり存在するニンニクの臭みのハードルを一切気にしないという斜め上の思考回路を披露、
その結果、女扱いされなくなるという良かったんだかそうじゃないんだかという光栄な見方をされる事に成功
しかし、畏怖すべきはニンニクをたっぷり入れたスープを圧倒的で衝撃的な飲みっぷりで平らげてしまった事だ
これは加齢の限度を越え、若いころと同じ無茶な食べ方は出来ないオヤジにとっては、
(自分を)越えたどころかもう二度と帰る事の出来ない“失われた青春”そのものだった

かくして、ラーメン道の奥深さに於いて、
イマドキを取り入れつつ、通のテクニック/計算も織り込んで「今ベスト」な食べ方を華麗に披露し、
基礎体力、楽しみ切るエネルギーに於いても自信喪失させコテンパンに叩きのめすレベルの食いっぷりを美しく魅せつけた藤原書記

だが、オヤジに残ったものは敗北感などではなく、むしろ「あの頃の自分」を彼女の中に垣間見るノスタルジーであった
世代交代・・・夢見る対象が「自分」ではなく、「他人」に移った、ただそれだけの事で、そしてそれは自然な事でもある
あの頃の自分の様に、否、むしろ、あの頃の自分が出来なかったことでさえやり遂げてラーメン道をブラッシュアップさせていく彼女に対する期待・・・
最終的に残ったのは、そんな前向きな想いだけだったように感じた。
自らの「老い」を認め、若い新星に「未来」をバトンタッチする、、、、、
そんなラーメン道の奥深さと世代を越えて受け継がれる情熱を華麗に描き切った本作は
正にラーメンを愛する人、そして、ラーメン道を追求する方に読んで頂きたい傑作に仕上がっている
「あの頃の自分」から、「これからの君」へ・・・一度消えかけた炎も、台を移せば、また再び燃え盛る。
そうやって時代と共に技術や情熱が正しく受け継がれ、未来を鮮やかに彩っていく―――――。
誰よりも静かに、
何よりも確かに。
そんな「二人」の物語が美しく交差する第33話、
ハンカチをご用意の末是非お読み下さい。







っていうか、
単に何も考えてないおバカさんなだけですね(爆)

これぞ藤原クオリティ、、、、その無邪気&KYっぷりが他人を勘違いさせる。
息が臭くなることに気付いてなかったオチは流石に笑いました
それ以前に全体的に「下らない事を全力でやる」タイプの俺好みのお話で正直堪んなかったです
ラブコメのラの字もねーじゃねーか!って思うけど(笑)。ここまで脱線してると逆に気持ちが良い好例ですね。最高でした。