nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

北勢線(三重県)の「七夕電車」

2011-07-03 17:17:00 | 国内の鉄道
三重県の桑名から北西方向に延びる北勢線。線路幅僅か762ミリのナローゲージの鉄道として有名ですが、7月2日(土)に「七夕電車」というイベント列車が走りました。車内に七夕の飾りつけをし、さらに7月7日の七夕の日は、「サマーバレンタインデー」ということで、メリーチョコレートが車内で子供たちにチョコレートをプレゼントするというなかなか賑やかなイベントです。関係者に誘われましたので、現地まで出かけてきました。

北勢線の起点は、JRと近鉄の桑名駅とは微妙に離れた西桑名駅。お昼過ぎに、お目当ての「七夕電車」が到着しました。

ホームと線路が一本しかない小さな駅は、乗客、報道関係、地元のスタッフなどで大賑わい。出発前に、七夕らしく和装のスタッフの面々が電車の前で記念撮影です。

4両編成の「七夕電車」は定時に発車。普通の鉄道車両よりも一段と狭い車内は超満員でした。荷物棚付近には七夕の飾りやサマーバレンタインのポスターも貼ってありました。

2号車は、窓を全部締め切り、暗くして、七夕の星空を再現したイベントスペースです。狭い車内なので順番に入れてもらえました。

陽が入らないのと、人が多くないせいか、他の車両に比べて涼しく、ホッと一息つけるスペースです。しかし、立って写真を撮ろうとすると揺れること揺れること。線路幅が極端に狭いので安定がよくないようです。

普通の車両に戻ってみると、子供たちはメリーチョコレートのプレゼントをもらい、嬉しそう。車内が一段と明るくなったようでした。


ところで、なぜ、北勢線で七夕のイベントがあるの?と不思議に思う人が多いのではないでしょうか。でも沿線には、星川という駅もあり、天の川を連想させるに十分です。帰りに寄ってみましたが、駅舎は「天の川」をイメージした「星」「川」のイラスト付きでした。


西桑名からの車窓はのどかな田園風景が続きますが、終点・阿下喜(あげき)が近づくと、山が迫ってきます。森の中を抜け、急カーブを曲がり、のんびり走っていきます。



かくして西桑名から約1時間で、終点・阿下喜に到着です。

阿下喜でも、七夕の飾りつけが出迎えてくれました。またホームの脇には軽便鉄道博物館があり、旧型電車モニ226(1931年製)が1両保存されていました。

「七夕電車」で到着した子供たちは、駅前からバスに乗って、近くの中学校に移動。校内にあるプラネタリウム室での「星空教室」に参加し、七夕にまつわる話などを聞いて理科の勉強をしました。大人が聞いても楽しめる内容でした。


今年全線開業80周年を迎えた北勢線。その一環のイベントのひとつでもあったようですが、毎年行ってもいいようなイベントでした。他にも楽しい企画が予定されているような北勢線。活性化されて、いつまでも走ってほしい鉄道の一つです。

最後に、当日お世話になった関係者の皆さんに厚く御礼申し上げます。

<参考文献>
北勢線の紀行は、拙著「にっぽんローカル鉄道の旅」(平凡社新書)を
「七夕電車」のような全国の面白列車に関しては、
拙著「旅が10倍面白くなる観光列車」(平凡社新書)をご覧ください。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=nodatakashi-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4582852920&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=nodatakashi-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4582855881&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>