今日は、電氣館100周年記念特別イベント「くまもと映画文化の日」の映画鑑賞会で「サンザシの樹の下で」を観に行った。久しぶりにチャン・イーモウ監督作品を観る。そこには初期の頃の強烈な赤や黄色の世界もなければ、炎のような愛憎もない。モノトーンに近い淡い色調で、純愛が淡々と語られていく。一瞬、イーモウ監督も枯れの境地か、などと思ったりもするが、じんわりと心に染み入ってくるような映画だ。 ヒロインを演じる新人女優チョウ・ドンユイがいい。透き通るような美しさは今後の活躍を予感させる。また相手役の若手男優ショーン・ドウは、若い頃の中井貴一を思わせる瞬間があり親しみを感じさせる。チャン・イーモウってやっぱりこういう映画が本籍なのだろうか。

