徒然なか話

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カイシャ・ダ・マルメラーダ

2021-06-22 10:32:52 | 歴史
 今朝の熊日新聞に、熊本県宇土市走潟地区の住民団体「走潟マルメロ会」が、江戸幕府に献上していた菓子「かせいた」の復刻第3弾として「時献上(ときけんじょう)」と名付けた菓子を開発したという記事が載っていた。「かせいた」は、洋なしに似た中央アジア原産のマルメロの実を、砂糖と一緒に煮詰めて作ったもの。細川家は曲げわっぱに入れて、茶菓子として献上していたという。マルメロというのはポルトガル語のマルメレイロの樹の果実の意味で、「かせいた」の語源も「Caixa da Marmelada(カイシャ・ダ・マルメラーダ):マルメロジャムの箱の意」からきているそうだ。
 江戸時代から戦前まで、走潟村(現宇土市走潟町)の緑川(現浜戸川)河岸段丘地に多く栽培され、「かせいた」の原材料として使われていたが、戦後、マルメロはブドウなどに転換され、「かせいた」の生産は途絶えていた。走潟町では久しく途絶えていたマルメロの栽培を、平成25年、町興しの一環として復活させ、走潟町の宝にしようと「走潟マルメロ会」を立ち上げていた。まだまだ改善の余地はあるが、復刻まであと一歩とのこと。
 なお、「時献上」とは江戸時代、四季それぞれに諸侯が自領の産物などを幕府に献上したことをいうそうだ。


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