こうさぎたちのクリスマス/エイドリアン・アダムズ:作絵 三原 泉・訳/徳間書店/2020年
1979年に祐学社から出版されていますが、見たのは今年徳間書店から出版されたもの。復刊されたもののようです。原著は1978年、アメリカで刊行され、長い間愛されているとありました。
クリスマスの三日前、オーソンは、イースターに使う卵の絵をかく両親の手伝をしていました。
翌朝、お気に入りの木の枝につくられた自分の部屋で、目を覚ますと、小屋の下に こうさぎたちがあつまっていました。オーソンの小屋をお手本として、自分たちも小屋をつくってもらおうと、みにきたのです。
木の枝の小屋には、バケツのエレベーターでのぼります。こうさぎたち、全員をひきあげると、こうさぎのひとりが「クリスマスパーティーをひらいて、おとうさん、おかあさんをびっくりさせたいので、てつだってもらえない?」といいだしました。疑心暗鬼でしたが、ちょと てつだってもらえれば パーティーができるというので、オーソンは、しぶしぶ承知しました。
おちびさんたちは、たいしたことができないし、準備が大変というオーソンでしたが、おかあさんから「でも、やくそくしたのよね?」、おとうさんからは「おもしろそうじゃないか。さっそく、クリスマスツリーをさがしにいこう」といわれ、ツリーの木を探すにでかけました。
すぐにぴったりの木が見つかりますが、三人では とても 運べそうにありません。そこで、おちびさんたちに声をかけると、こうさぎたちは 大張り切り。
オーソンとおとうさんが台を作り、木の枝を利用して木をたて、次の日はクリスマスツリーの飾りつけです。イースターエッグやポップコーンを飾りつけ、プレゼントを用意し、サンタさんの服をつくりました。
日が沈み、月が 輝きはじめると いくつもの そりが あちこちから、すべってくるのがみえました。
みんながあつまると、ライトがクリスマスツリーを あかるくてらし、サンタの服を着たオーソンが 「ホー!ホー!ホー! メリークリスマス」と、さけぶとパーティーのはじまりです。
こうさぎたちが、ちからをあわせ、大人たちを、喜ばせようと準備したクリスマス。サンタさんは、おとなたちにプレゼントをくばりました。「こんなにすてきな パーティーは はじめてだ」「まったく、そのとおり!」と、大好評でした。
ツリーのまわりで火が燃え、音楽が鳴り手をとりあって踊る様子が楽しそうです。