10にんのせんにん/佐々木 マキ/フレーベル/館2019年
山のてっぺんの”せんにん”が、ふもとからきこえてきた、「うーん、うーん、どうしたら いいんだろう」という声のする方向に おりてみると、郵便屋さんが、倒れていました。ぐあいわるそうにしながらも、「ゆうびんはいたつ しなければ・・」という郵便屋さんを てつだおうと、”せんにん”が、自分の髭を 何本か 引き抜いて、 ふうっ、いきを ふきかけると、そっくりさんが 9にんあらわれました。9にんの そっくりさんが、空を飛んだり、あるいたりして、あっというまに 配達を すませてしまうと、もとのひとりに。
”せんにん”が、元気になった郵便屋さんとわかれたあと、足元には 手紙が一つ残っていました。自分で届けることにした”せんにん”が、くさむらであったこどもに、案内されていってみると、そこは きつねの家。
こどもが、「みて、みて、おかあちゃん、ほら ぼくだよ」というと、「まあ、このこったら、じょうずに ばけたねえ」と おかあさんが びっくり。こどもは もとのすがたになり、かえっていく”せんにん”を みおくりました。
思いのこもった手紙が 届かないのは 大変なこと。みんなの気持ちに こたえてくれる”せんにん”でした。
きつねの こどもが 「あしたの ばんごはん ハンバーグにしてね おねがい」と、おかあさんに 手紙で リクエストしていました。
佐々木さんの透明感あふれる絵が 何とも言えません。