てんぐと かっぱと かみなりどん/作・かこさとし 画・二俣英五郎/童心社/1975年(16画面)
すみやきとうべえさんが、えっちら おっちらさと山にのぼっていくと、ぬまのかっぱと、杉の木のうえのてんぐと、雲のうえのかみなりから、とんでもないことを いわれました。
かっぱどんは、鼻をたらしている子のおしりを 塩をつけて食べるのが大好きだ。
てんぐどんは、なきむしの 子どものほっぺをたを みそづけにして 食うのが だいすきじゃ。
かみなりどんは、おなかをだしてねる子どもの おひそを たべるのが だいすきじゃ。
すみやきとうべえさんが、しょんぼり いえにかえり 「おまえの おしりと ほっぺたと おひそを もってこい」といわれたことを話すと、とうへいちゃんは 「なんーだ、そんなことか。わけないよ、おとっちゃん」と、つぎの日、げんきに 山へのぼっていきました。
とうへいちゃん、三人同時に ぶつかるように しむけると ゴロゴロ ガラガラ ドスン ピシャン ガチャン グチャン ボッチャーン と おおきなおと。かっぱどんも、てんぐどんも、かみなりどんも、なきべそを かいて にげていきました。
この紙芝居、昔話風の展開で、かこさんが画を描かなかったのはわかるような気がしました。
鼻たれ、泣き虫の どこか頼りないとうへいちゃんが、カッパ、天狗、かみなりを 同時にやっつけるギャップが 楽しい紙芝居でした。