・地獄に落ちた欲ばりばあさま(読んであげたいおはなし/松谷みよ子の民話/筑摩書房/2002年)
一人で読む量はたかがしれたもの。おはなし会に参加すると、新しい発見も多い。おはなし会で聞いた「地獄に落ちた欲ばりばあさま」もそうした一つでしょうか。
集中力もあるのでしょうが、細かなところで理解できないこともあり、さっそく本を借りてきました。
一人暮らしの欲張りばあさまと、おなじく一人暮らしの人の好い爺さま。
爺さまが風邪をひいて熱は出るせきはでるで、欲張り婆さまのところへ、薬人参をもらいにいくと、婆さまが暮れたのは、細い毛のような薬人参で、それをさらに半分にしたもの。
だすのは舌でもいやという婆さまが、生前おこなった唯一の善行です。
やがて婆さまは地獄、爺さまは極楽へ。爺さまを見つけた婆さまは、自分を地獄から助けてくれと手をあわせ懸命に頼みます。
爺さまは天人、天人は閻魔様に救う手立てがないか頼むと、閻魔様が厚い帳面をみて、婆さまは隣の爺さまの人助けをしたことが記入されていて、細い人参を地獄におろします。
婆さまが人参につかまって、それを天人がひきあげますが、婆さまの足には四人の罪人、さらに四人には八人の罪人・・・・。
人参が切れてしまうと婆さまが足をばたばたさせると、あと一息で極楽というとき、人参が切れて婆さまは、また地獄へ。
・地獄のにんじん(今に語りつぐ日本民話集 笑い話・世間話➀ふしぎなめぐりあわせ/監修 野村純一・松谷みよ子/作品社/2002年)
松谷さんが監修されているなかに、「地獄のにんじん」というのがありました。
愛媛県の語り手の方のお名前がのっていましたが、残念ながら時期が不明です。
腐れにんじんを、こじきにやった悪たれ婆さんが、にんじんにぶらさがって極楽へいこうとするが、やはり地獄の餓鬼が足がすがったので、振り落とそうとすると自分までがもとの地獄へ。
仏様は「やっぱり悪人は悪人やったなあ。ええ人間にたちかえることはできなかった」というて嘆きなさった。
にんじんに限らず、そのほかのものも極楽を目指すきっかけになりますから、再話の仕方もいろいろ出てきそうです。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」とどういう関連があるのかもしりたいところです。
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