どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

日曜日うまれの女の子

2024年12月11日 | 絵本(昔話・外国)

   日曜日うまれの女の子/中脇初枝・再話/さとう/ゆうすけ・絵/偕成社/2024年

 ドイツの昔話の再話。<女の子の昔話えほん>シリーズです。

 魔女から宝をあげるといわれ、上のふたりが、城にむかいます。とちゅうあらわれた”こびと”を、なぐろうとすると、こびとは、「ばかめ、ばかめ、どうせ わがみを ほろぼすだけさ」と叫びました。深い森をあるいていくと、やがて、目の前には まばゆくかがやく宝石の城。なかにはいると女の人(魔女)がいて、ふたりを 宝でいっぱいの部屋へ案内してくれました。ふたりはさっそく、宝をかきあつめ、もってきた袋につめこもうとしました。その時、女の人が両手をふたりのうえに かざすと、そのとたん、宝も城もきえ、もろじかとかえるに かえられてしまいます。

 下のふたりも城へでかけますが、上のふたりとおなじように、からすと おんどりに かえられてしまいました。

 夫婦には、もう一人、日曜日生まれの女の子がいました。ちいさかった女の子が何年かたって大きくなると、兄さんたちを助けようとでかけました。

 深い森で、こびとにあうと、女の子は、パンとベーコンを わけてやりました。こびとはよろこんでいいました。「にいさんたちは、魔女のところに いる。でも、おまえさんなら きっと にいさんたちを たすけだせるよ」。そして、魔女が動けなくなるという、銀の笛を わたしました。
 城の前で、どうぶつにかえられたお兄さんたちが 声をかけましたが、女の子には、そのことばが みんな わかりました。
 女の子が 宝石の城につくと、城はたちまちきえて ぼろぼろの小屋があるだけでした。女の子は 笛をふいて 魔女をうごけなくすると、こびとからいわれたように、魔女の指輪を ひきぬきました。すると、たちまち魔女は、ひきがえるに なってしまいました。
 魔法がとけると、兄さんたちは、もとのすがたにもどり、やはり魔女にすがたをかえられていた たくさんの人たちも、森のおくから とびだしてきました。さらに、魔法をかけられて こびとにされていた 王子にも あい、やがて・・・。

 

 昔話の主人公には、名前がないものがおおいのですが、そのたびに ”女の子”というのも、わずらわいい。もっとも、この絵本では、”日曜日うまれの女の子”が 多用されています。”日曜日生まれのこども”は、”幸運児”という意味でつかわれ、祝福をうけた存在とされているというのですが・・。


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