クマのひとりじかん/マルク・フェルカンプ&イェスカ・フェルステーヘン・作 野坂悦子・訳/化学同人/2024年
クマのかなでるピアノは、聴く者をうっとりさせ、鳥たちも歌いません。
弾き疲れて一休みしたいと思うクマでしたが、まわりのみんなは
「もっと もっと、ピアノのくまさん!」
「もっと もっと きかせて!」
と、大合唱。
「また こんどね、」と、クマが言っても
「もっと もっと、ピアノのくまさん!」とせがんで、はしっても はしっても声がします。
そのうち、クマはみんなのことが こわくなって 「グオーッ」と、じぶんでも びっくりするような声で ほえたてると、やっとしずかに なりました。
ところが 一匹のシマウマが のこっていました。
シマウマは、やさしく いいます。
「あなたのピアノを きくと、うれしくなるわ」「こんどは あなたを よろこばせたい。わたし、本を よんであげたいの」
いったんは、ひとりにしてほしいというクマでしたが、シマウマをよびとめます。
いったんは、ひとりにしてほしいというクマでしたが、シマウマをよびとめます。
ときには、ひとりになりたいと思う気持ち。それを ほかの人が理解できるでしょうか?。
ただ、ひとりで 生きるのも むずかしい。いっしょにいても 互いに干渉しない関係があっても・・・。クマが、「ひとりと ひとりで いっしょに いよう」と、シマウマが 本を読んでいるそばに います。
モノクロに、ところどころの赤、シマウマの縞模様が英字と、派手さを一切排除した印象的な絵です。