Bペアの場合
4月30日の様子
Bペアが営巣した場所は、ボート池の池尻。
ここは前回のかいぼりのあと営巣場所に選ばれるようになったところで、今年で3回目である。
ボート池はボートの往来によって営巣がうまくいかないことが多いのだが、この場所はボートが入れないようになっている。
カイツブリはちゃんとそういうことがわかっていてここを選ぶのだろうか。
そして、この同じ場所で巣作りをしたカップルは、2年前のカップルと同じカップルなのだろうか。
個体識別ができないのが残念だ。
卵はなんと6個産み、6個とも孵って雛になった。
5月22日の様子
6羽目が確認された5月28日
6羽もの雛が無事に孵るのを見たのは、初めてだった。
ところが、次に日に行ってみると、雛は5羽になってしまっていた。
29日の様子 ザリガニを与えているが、雛は5羽しかいない。
何が起きたのだろうか。
見ていた人に聞いてみると、1羽の雛がおぼれていたのを、気が付いた人が保護したそうだ。
しかし、あとで確かめると、残念ながら死んでしまったらしい。
以前、私も雛がおぼれるのを見たことがあるが、その時は詳しい方に聞くと、カイツブリは生まれたときから泳げるので、溺れるはずはないという話だった。
その雛がおぼれたのかどうかは結局わからないが、今回の例で、やはり溺れることはあるのだとわかった。
それはなぜだろうか。
カイツブリは卵をほぼ毎日一つずつ産み、初めの一つを産んだときから温めはじめる。
だから、雛もほぼ毎日1羽ずつ孵る。
6羽もいれば、最初の1羽と最後に孵った1羽とは6日間の成長の差ができる。
また、カイツブリの親は、最後の卵が孵るまでは交代で巣にいるので、最初に生まれた雛は、巣に留まりながら親から給餌を受けて成長できる。
しかし、最後の卵が孵ると、両親とも巣を離れ、餌を捕りに行く。
最初に生まれた子は、既に体力もつき、泳ぎも上手になってきているので、その親について巣を離れたり、餌を捕ってきた親に早く近づき、先に餌を取ってしまう。
生まれたばかりの雛も、つられて泳ぎ出たりするが、体力もまだ十分でなくついていけない。それどころか、巣の上に上がるのもままならないこともある。
こんな具合に末っ子が生き抜くのはなかなか厳しい。6番目の末っ子も、巣から離れて巣にもどれなくなり力尽きたのだろうか。
一家はやがて、ボートが行き交う池の方へ揃って出かけるようになった。
かなり遠くまで雛を引き連れて出かけるが、必ず元の巣に帰ってくる。
5番目の子もときどき遅れそうになって心配したが、結局無事に大きく成長できた。
遠出は始まる。6月3日の様子 左の子はこの中の末っ子で、小さいのがわかる。
疲れると親の背中に乗る。雛は最低自力で巣に這い上がることと、親の背中に乗ることができないと生きていけない。
巣からあふれそう。6月11日の様子
6月21日の様子
このファイミリーの様子は、一番よく観察し、面白いシーンもあったのに、あまり写真は撮っていなかったのが悔やまれる。(他のファイミリーを撮っていたので)
途中から、ペアは雛を3羽と2羽に分担してお出かけするようになった。
ある日、夕方先に帰ってきた母親(たぶん)は、自分が連れていた雛を巣にあげて、いかにも父親と雛たちのかえりを待つように巣から少し離れていた。
ときどき、呼ぶように鳴き声をあげる。
1羽の雛が巣から下りてしまうと、「もどりなさい。」というようにつっついて上がらせる。
それでも一向に帰ってこないので、待ちきれなくなってボートの方へ向かうと、やっと父親と残りの2羽が帰ってくる。
すると、せっかく巣に上がっていた雛たちも、結局お母さんの後を追って、そちらへ向かってしまった。
また、雛が、巣に上がるとき、近くの木の葉などをくわえて巣を補修するのも面白い。親がやっているのを見習ってのことだろうか。
こうして、5羽の雛はすくすく育ち、ある日のこと、その巣に卵が一つ。6月27日のこと
ついに2番子を育てる時期になったのだろうかと思ったのだが、親は一向に温める気配がなく、なんと巣の上に載っているのは雛たちだった。
でも雛たちはそのうち巣から離れていく。
結局、最後の子も巣を離れ、卵だけがまた残る。この子の翼は、前の写真のこの翼より大きくなっている。
これは、どういう意味なのだろう。まさか抱卵の練習をさせたわけではないだろうが。
しかし、間もなくして、やっと親たちは別の場所に新たな巣を作りはじめ、本格的に2番子の繁殖に取り組むことになり、雛たちは独立していった。
つづく
4月30日の様子
Bペアが営巣した場所は、ボート池の池尻。
ここは前回のかいぼりのあと営巣場所に選ばれるようになったところで、今年で3回目である。
ボート池はボートの往来によって営巣がうまくいかないことが多いのだが、この場所はボートが入れないようになっている。
カイツブリはちゃんとそういうことがわかっていてここを選ぶのだろうか。
そして、この同じ場所で巣作りをしたカップルは、2年前のカップルと同じカップルなのだろうか。
個体識別ができないのが残念だ。
卵はなんと6個産み、6個とも孵って雛になった。
5月22日の様子
6羽目が確認された5月28日
6羽もの雛が無事に孵るのを見たのは、初めてだった。
ところが、次に日に行ってみると、雛は5羽になってしまっていた。
29日の様子 ザリガニを与えているが、雛は5羽しかいない。
何が起きたのだろうか。
見ていた人に聞いてみると、1羽の雛がおぼれていたのを、気が付いた人が保護したそうだ。
しかし、あとで確かめると、残念ながら死んでしまったらしい。
以前、私も雛がおぼれるのを見たことがあるが、その時は詳しい方に聞くと、カイツブリは生まれたときから泳げるので、溺れるはずはないという話だった。
その雛がおぼれたのかどうかは結局わからないが、今回の例で、やはり溺れることはあるのだとわかった。
それはなぜだろうか。
カイツブリは卵をほぼ毎日一つずつ産み、初めの一つを産んだときから温めはじめる。
だから、雛もほぼ毎日1羽ずつ孵る。
6羽もいれば、最初の1羽と最後に孵った1羽とは6日間の成長の差ができる。
また、カイツブリの親は、最後の卵が孵るまでは交代で巣にいるので、最初に生まれた雛は、巣に留まりながら親から給餌を受けて成長できる。
しかし、最後の卵が孵ると、両親とも巣を離れ、餌を捕りに行く。
最初に生まれた子は、既に体力もつき、泳ぎも上手になってきているので、その親について巣を離れたり、餌を捕ってきた親に早く近づき、先に餌を取ってしまう。
生まれたばかりの雛も、つられて泳ぎ出たりするが、体力もまだ十分でなくついていけない。それどころか、巣の上に上がるのもままならないこともある。
こんな具合に末っ子が生き抜くのはなかなか厳しい。6番目の末っ子も、巣から離れて巣にもどれなくなり力尽きたのだろうか。
一家はやがて、ボートが行き交う池の方へ揃って出かけるようになった。
かなり遠くまで雛を引き連れて出かけるが、必ず元の巣に帰ってくる。
5番目の子もときどき遅れそうになって心配したが、結局無事に大きく成長できた。
遠出は始まる。6月3日の様子 左の子はこの中の末っ子で、小さいのがわかる。
疲れると親の背中に乗る。雛は最低自力で巣に這い上がることと、親の背中に乗ることができないと生きていけない。
巣からあふれそう。6月11日の様子
6月21日の様子
このファイミリーの様子は、一番よく観察し、面白いシーンもあったのに、あまり写真は撮っていなかったのが悔やまれる。(他のファイミリーを撮っていたので)
途中から、ペアは雛を3羽と2羽に分担してお出かけするようになった。
ある日、夕方先に帰ってきた母親(たぶん)は、自分が連れていた雛を巣にあげて、いかにも父親と雛たちのかえりを待つように巣から少し離れていた。
ときどき、呼ぶように鳴き声をあげる。
1羽の雛が巣から下りてしまうと、「もどりなさい。」というようにつっついて上がらせる。
それでも一向に帰ってこないので、待ちきれなくなってボートの方へ向かうと、やっと父親と残りの2羽が帰ってくる。
すると、せっかく巣に上がっていた雛たちも、結局お母さんの後を追って、そちらへ向かってしまった。
また、雛が、巣に上がるとき、近くの木の葉などをくわえて巣を補修するのも面白い。親がやっているのを見習ってのことだろうか。
こうして、5羽の雛はすくすく育ち、ある日のこと、その巣に卵が一つ。6月27日のこと
ついに2番子を育てる時期になったのだろうかと思ったのだが、親は一向に温める気配がなく、なんと巣の上に載っているのは雛たちだった。
でも雛たちはそのうち巣から離れていく。
結局、最後の子も巣を離れ、卵だけがまた残る。この子の翼は、前の写真のこの翼より大きくなっている。
これは、どういう意味なのだろう。まさか抱卵の練習をさせたわけではないだろうが。
しかし、間もなくして、やっと親たちは別の場所に新たな巣を作りはじめ、本格的に2番子の繁殖に取り組むことになり、雛たちは独立していった。
つづく