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AMR啓発へ官民会議 - 国民に抗菌薬適切使用促す

2016年11月05日 17時00分09秒 | 医療情報
AMR啓発へ官民会議 - 国民に抗菌薬適切使用促す
2016年11月4日 (金)配信薬事日報

政府会議が初会合
 国際的な脅威となっている薬剤耐性菌(AMR)に対する国民の理解を深め、抗菌薬の適切使用に向けた主体的な取り組みを官民で促す「AMR対策推進国民啓発会議」(議長:毛利衛日本科学未来館長)の初会合が1日に開かれた。国民一人ひとりが抗菌薬の適切な使用に努めるよう普及啓発を進めると共に、医師や薬剤師などの医療従事者にも必要な場合にのみ抗菌薬を処方し、適切な服薬指導を行うことなど、国を挙げて取り組むべき内容を共有した。また、AMR対策の普及に賛同する日本薬剤師会、日本製薬工業協会など関係団体の取り組みも示され、今後どのような取り組みを行うべきか議論。「薬剤対策広報大使(仮称)」の設置などを決めた。
 初会合の冒頭、塩崎恭久厚生労働相があいさつに立ち、「2050年には、AMRによって亡くなる人の数が現在の癌による死亡者数を上回るといわれている」と問題意識を示し、「抗菌薬については、どの疾患にどの程度使われているかを示したデータが不足しているだけでなく、医師は抗菌薬の使用を減らすという意識を持たずに処方する傾向にある」と指摘。「AMRは重要な問題であり、克服しなければ人類の危機につながるという認識を共有したい」と述べた。
 この日の会合では、厚労省や農林水産省などの行政機関、日本医師会などの団体や医療研究機関などが、AMRに対する取り組みを紹介した。構成員メンバーである製薬協は、会員企業の関連施設が感染症に関する企画展を開催したことに言及。AMR関連の普及啓発を企画展内で行うことを依頼すると共に、他の会員企業にも同様の企画展を開くよう要請したことを紹介した。
 その上で、製薬協に期待されている役割が新薬の開発にあるとし、AMRの新薬開発に積極的に取り組むよう改めて会員企業に呼びかけたことなどを報告した。
 また、日薬は、抗菌薬の適正使用について、薬剤師として患者への啓発活動を積極的に行っていく姿勢を示したほか、生涯学習支援システムでAMRを防ぐためのe-ラーニング資材を作成し、会員に提供していることなどを紹介した。日本病院薬剤師会は、感染症対策に相当の知識と経験を持つ薬剤師を感染制御認定薬剤師、感染制御専門薬剤師として認定していることを示した。
 構成員からは、「AMRを認識する人は増加しているが、一般の国民は医療に精通していないため、身体の仕組みや病気について教えることから始めるべき」「専門職への啓発・教育では、患者の支援や予防に重点を置いた内容が必要」「地域によって医療現場の力の入れ方に差があるため、偏りを是正するよう自治体の権限のあり方も含めて国が対応すべき」などの意見が出た。
 その上で、今後はシンポジウムや研究会等の開催、マスメディアやSNSによる情報発信、「薬剤対策広報大使(仮称)」の設置など、国民にAMRの問題を認識してもらう活動を行っていくことを確認した。
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(患者を生きる:3172)感染症 トキソプラズマ症:5 情報編 生肉・猫のふんに注意を

2016年11月05日 16時58分38秒 | 医療情報
(患者を生きる:3172)感染症 トキソプラズマ症:5 情報編 生肉・猫のふんに注意を
2016年11月4日 (金)配信朝日新聞

 トキソプラズマは寄生虫の一種で、哺乳類や鳥類の筋肉、脳などにいる。猫が感染すると一時期ふんに混じって排出され、ふんから土や砂の中にばらまかれる。人への感染は、トキソプラズマがいる肉を十分に加熱しないで食べたり、猫のふんの処理や土いじりをした時に口などから入ったりして起きる。
 国立感染症研究所寄生動物部第1室の永宗喜三郎(ながむねきさぶろう)室長(49)によると、日本人の約1割、欧州や南米では約半数の人に感染歴があるという。健康な人が感染しても、風邪のような症状が出たり、首のリンパ節が腫れたりすることがあるものの、症状が軽くて感染に気付かないことがほとんどとされる。
 連載で紹介した東京都の女性(36)のように、感染歴がなくて抗体を持っていない場合、妊娠中に感染すると胎盤を通じて胎児にうつる恐れがある。抗体を持つ妊婦は地域によりばらつきがあり、4~15%という調査結果もある。
 母子感染に詳しい吉田産科婦人科医院(埼玉県入間市)の小島俊行・母子感染研究センター長(64)は「自費になるが、妊娠初期に検査で抗体の有無を確認しておくといい」と話す。妊娠中の感染がわかった場合、早い段階で薬による治療を始めれば、母子感染の危険を減らせるという。
 胎児に感染する確率は、妊娠末期になるほど高くなり、胎児に感染した場合に症状が重くなるのは妊娠初期ほど高いとされる。胎児に感染すると、死産や流産につながるほか、生まれた子どもに視覚障害や知能の発達の遅れ、手足のまひなどが出ることがある。ただ、小島さんは「胎児が感染しても9割は症状が出ず、先天性トキソプラズマ症と診断されるのは約1割」と説明する。
 妊娠中に感染しないためには、まず加熱が不十分な肉を食べないことだ。肉の中心部の色が変わるまで熱を加えれば、トキソプラズマは死滅する。ガーデニングなどをする際も手袋をして、終わったら必ず手を洗う。飼い猫のふんの処理は、ほかの人にしてもらうようにする。
 予防法は、患者会「トーチの会」のサイト(http://toxo-cmv.org/)にある注意事項11カ条が参考になる。
 (宮島祐美)
 ■ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comへお寄せください。
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 「患者を生きる」は、有料の医療サイト・アピタル(http://www.asahi.com/apital/)で、まとめて読めます。
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喫煙で遺伝子に多数の変異 肺や喉、がん危険性高める 国立研究センター

2016年11月05日 10時04分09秒 | 医療情報
喫煙で遺伝子に多数の変異 肺や喉、がん危険性高める 国立研究センター
臨床 2016年11月4日 (金)配信共同通信社

 たばこを吸う本数が多いほどDNAが傷つきやすく、1日1箱を1年間吸い続けると肺の細胞では遺伝子に150個の変異が生じるとの研究結果を、国立がん研究センターなどの国際チームが4日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 変異の数は肺が最も多く、喉、口と続いた。遺伝子の変異はがん発症の危険性を高めるとされ、たばこの影響を部位ごとに詳細に解析したのは初めて。禁煙の重要性を改めて示した。
 センターの柴田龍弘(しばた・たつひろ)分野長は「変異が起きる仕組みを解明できれば、がんの予防や治療に役立つ」と話している。
 チームは、日本を含むアジアや欧米の5千人以上のがん患者について、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)を解読。患者の喫煙歴を基に1日1箱を吸い続けたときの影響を推計すると、肺は150個、喉頭は97個、咽頭は39個、口腔(こうくう)は23個の変異が1年間に発生し、生涯を通じて蓄積されているとの結果になった。ぼうこうは18個、肝臓は6個だった。
 詳しく調べたところ、変異の起こり方は部位によって違いがあることも判明。肺や喉頭、肝臓などでは、たばこに含まれる発がん物質によって変異が引き起こされていたが、ぼうこうや腎臓では発がん物質と関係なく変異が起きていた。ぼうこうや腎臓では、喫煙の影響で細胞のDNAを修復する働きに異常が生じた可能性があるという。
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苦しみの正体探して 行き着いたグリーフケア 「私たちの最期は」「喪失とともに」

2016年11月05日 10時02分16秒 | 医療情報
苦しみの正体探して 行き着いたグリーフケア 「私たちの最期は」「喪失とともに」
臨床 2016年11月4日 (金)配信共同通信社

 横浜市の「めぐみ在宅クリニック」で現在、近親者との死別による「グリーフ」(悲嘆)を抱えた遺族を支えるカウンセラー、加治陽子(かじ・ようこ)(41)は2008年、がんで倒れた父の看病のため奈良の実家に戻った。
 東京の会社でグラフィックデザイナーとして勤務していたが大阪に異動願を出し、闘病を続けた父を2年後にみとった。葬儀を終え約2週間で仕事に復帰。そして、自身に異変が起きる。
 資料を読んでも文章が頭に入らず、パソコン画面のデータが追えない。食欲が落ち、頭痛や震え、めまいに襲われた。眠りは浅く、夢に繰り返し父が現れる。点滴を刺した姿。吐血で真っ赤に染まった床。「もっといい抗がん剤はないのか」と探し回る光景...。
 急性ストレス障害と診断され、休職した。極度の緊張状態で父を見送ってからは1度も泣いたことはなかったが、医師から「自分の手でみとったということは膨大なエネルギーを使ったということ。今のあなたはガス欠で走る車と一緒だよ」と言葉を掛けられ、初めて人前で涙を流した。
 「この苦しみは一体何だろう」。自分の置かれた状況や症状を調べ続け、「グリーフケア」という考え方に行き着く。聞いたこともない用語だったが、大学などで教わることもできると知った。
 東京で復職してからもグリーフケアを学ぶ場に吸い寄せられた。そうした勉強会を通じ、加治は自分の苦しみの正体を「グリーフ」と名付けることができ、多くの死別経験者が抱えるものでもあると認識した。そのことで気持ちが楽になった。
 グリーフケアに関する歴史の浅い日本では、支援者の養成は、民間の「グリーフ・カウンセリング・センター」「日本グリーフケア協会」「上智大学グリーフケア研究所」などがそれぞれ独自に実施。加治はセンターと協会の認定資格を持つ。
 「いつのまにかサポートする立場になっていたけれど、グリーフは当たり前の反応と知るだけで安心してもらえる。そのお手伝いがしたかった」
 加治と勉強会で知り合い、グリーフケアの活動に誘っためぐみクリニック院長の小沢竹俊(おざわ・たけとし)(53)は言う。「誰かの支えになろうとする人こそ、一番支えが必要な人でもあるんですよね」(敬称略)
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