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高齢者自立で財政支援 自治体競争、データで促す 「どうなる!?介護保険」地域差の是正

2016年11月11日 01時34分37秒 | 行政
高齢者自立で財政支援 自治体競争、データで促す 「どうなる!?介護保険」地域差の是正
行政・政治 2016年11月9日 (水)配信共同通信社

 要介護認定を受けた高齢者の割合や介護サービスにかかる費用は、自治体によってばらつきがあるのが実情だ。介護保険料の格差にもつながることから、厚生労働省は地域差の是正に乗り出す。
 「65歳以上の要介護認定率は22・4%で、山梨県の1・6倍」
 「高齢者1人当たりの介護費は年31万9千円。最も低い栃木県より7万4千円も高い」
 大阪府介護支援課に今春、衝撃が走った。厚労省が初めて公表した都道府県別の介護データで、要介護認定率(全国平均17・9%)、介護費(同27万4千円)ともに全国一高かったからだ。
 リアルな数値を突き付けられ危機感を強めた府は7月、原因や対策を話し合うため有識者検討会を設置。府内の市や町と協力して、医療費や喫煙率、単身世帯率などさまざまなデータを収集して分析中だ。民間の高齢者住宅や老人ホームがサービスを過剰に提供していないかといった点も含め実態を調査し、年内に報告書をまとめるという。
 府の担当者は「適切な認定とサービス提供が目的で、一人一人の介護費を抑制するわけではない。大阪は軽度の人が多いので、介護予防の取り組み強化で自立も促したい」と説明する。
 介護保険は市町村がそれぞれ運営。介護に地域差が生じる背景には、高齢者人口や世帯構成の違いといった要因もあるが、自治体間で切磋琢磨(せっさたくま)する仕組みがないという側面も見逃せない。自治体が高齢者の要介護度を改善させたり、過剰なサービスを節減したりすれば、介護費や保険料負担が膨らむのを抑えられる。
 そこで厚労省は2018年度をめどに、競争原理が働く仕掛けをつくる。市町村と都道府県に対し、要介護認定や介護費に関するデータの提出を義務付け。厚労省が集計・分析し、他の地域と比較できるよう情報公開する。高齢者の自立度向上や重度化防止がデータで裏付けられた自治体には、優先的に補助金など財政支援をする方針だ。
 介護保険制度に詳しい宮島俊彦(みやじま・としひこ)・岡山大客員教授は「データの『見える化』や財政支援の導入は、自治体の努力を促すだけでなく、サービス量が『多かれ良かれ』となっている利用者と事業者の双方の意識を変えるきっかけになる」と話す。
 ただ、厚労省の審議会では「介護で成果を評価するのは難しい」との異論も出た。補助金目当てに要介護度を実際より軽く判定する恐れも指摘される。どのようなデータを指標にして財政支援の対象とするか、厚労省は慎重に決める考えだ。
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お手本は「和光市方式」 「どうなる!?介護保険」地域差の是正

2016年11月11日 01時30分30秒 | 行政
お手本は「和光市方式」 「どうなる!?介護保険」地域差の是正
行政・政治 2016年11月9日 (水)配信共同通信社

 高齢者の自立支援や介護予防に積極的に取り組む自治体は増えている。「お手本」となっているのが、人口約8万人の埼玉県和光市だ。
 和光市は、アンケートや訪問で高齢者ごとのニーズを把握した上で運動や栄養改善、認知症予防など多様なプログラムで自立を促進。介護サービスの利用計画を決める会議にはケアマネジャーや医師だけでなく管理栄養士や薬剤師も参加する。
 今年9月時点の要介護認定率は9・6%で全国平均を大幅に下回る。「要支援」と認定された人の約4割が介護保険サービスから"卒業"し、保険料は4228円と全国平均より千円以上安い。
 大分県では4年前から県が主導し、各市町村に「和光市方式」の介護予防を段階的に採用。昨年度末の県内の要介護認定率は18・3%で、導入前より1・8ポイント低下する効果があった。
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