新型インフル流行に備え、治療薬２００万人分備蓄へ

新型インフル流行に備え、治療薬２００万人分備蓄へ
2017年3月31日 (金)配信朝日新聞

　政府は３０日、従来の薬が効かない新型インフルエンザの流行に備えて、約２００万人分の治療薬アビガン（一般名ファビピラビル）を備蓄することを決め、対策ガイドラインを改定した。製造する富山化学工業（東京）からまず４万７千人分（１人あたり４０錠）を調達する契約を同日結んだ。
　アビガンはウイルスの遺伝子の複製を妨げて増殖を防ぐ新しい仕組みの薬で、タミフルなど既存薬に耐性ができたウイルスに効くとされる一方、妊婦が服用すると胎児に副作用が出る可能性がある。
　このためガイドラインでは、既存の４薬が無効か効果が不十分なインフルエンザが流行したと厚生労働相が判断した場合のみ、重症患者に使用すると規定した。妊婦や、効果が不明な１５歳未満には使わない。
　既存薬への耐性があるインフルエンザを流行させるバイオテロへの備えもあり、備蓄目標量は想定入院患者の上限にあたる２００万人分とした。タミフルなど既存薬は国民の４５％に相当する５６５０万人分を備蓄目標量としている。（竹野内崇宏）

介護職員月給９５３０円増 １６年厚労省調査

介護職員月給９５３０円増　１６年厚労省調査
2017年3月31日 (金)配信共同通信社

　厚生労働省は３０日、「処遇改善加算」の報酬を取っている介護事業所の介護職員（常勤）の平均給与月額が２０１６年９月時点で、前年同月比９５３０円増の２８万９７８０円だったと発表した。
　調査は特別養護老人ホームなど全国８０５５の施設や事業所から有効回答を得た。基本給のほか、手当や一時金を含む。基本給（月額）のみだと、２７９０円増の１７万９６８０円。
　年齢や勤続年数を基準に自動的に上がる定期昇給ではなく、賃金水準そのものを引き上げるベアを実施したのは１６％にとどまった。
　介護職員の処遇改善は、１５年に最大で１人当たり月１万２千円相当の加算を設けた。今年４月からは、さらに平均月１万円引き上げる。
　厚労省は処遇改善加算を取得している障害福祉サービス施設・事業所についても福祉・介護職員（常勤）の平均給与月額を発表。１６年９月時点で１万３８０７円増の２９万７０６９円だった。全国７７５６施設・事業所から回答を得た。

５月にも依存症対策法案 自民、カジノ法施行で

５月にも依存症対策法案　自民、カジノ法施行で
2017年3月31日 (金)配信共同通信社

　自民党は、ギャンブル依存症対策の強化に関する基本法案を議員立法で５月にも国会提出する方針を固めた。党関係者が３０日、明らかにした。カジノを中心とする統合型リゾート施設（ＩＲ）整備推進法の施行を踏まえた対応。競馬など公営ギャンブルを含め依存症対策の基本計画策定を政府に求めるのが柱となる方向だ。公明党と共同提出したい考えで、今国会での成立を目指す。
　依存症対策については、日本維新の会が既に独自法案を国会に提出。自民党は、法案審議段階での修正協議も含め柔軟に対応する意向だ。
　自民党が想定する基本法案は、政府に省庁横断で依存症対策に取り組むよう促すとともに、ギャンブルを運営する事業者との連携を重視。その上で（１）重症化を防ぐための医療、相談体制の充実（２）治療に当たる専門家の育成（３）学校教育での啓発活動―が重要だと訴える内容になるとみられる。
　自民、公明両党は３０日、首相官邸で菅義偉官房長官に基本法案のたたき台となる「論点整理」を提出した。菅氏は記者会見で「政府の対応方針を速やかにまとめ、与党や国会と協力して必要な対策を講じる」と述べた。
　依存症対策強化の基本法案を巡っては当初、政府が提出を検討していた。一転して、自民党が公明党との共同提出を視野に法案を出す方向となった背景には、昨年１２月の衆参両院でのＩＲ法案採決で公明党が自主投票に回り、与党内で依然しこりが残っている事情がある。共同提出が実現すれば、カジノの運営方法などを定める法案で公明党との協議が望めると判断した。