銃乱射や爆発などテロ対応、特殊な手術できる外科医を養成…東京五輪に備え
2017年4月5日 (水)配信読売新聞
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策で、厚生労働省は今年度から、爆発物や銃器、刃物による外傷治療に対応できる外科医の養成に乗り出す。
テロが世界で多発する中、国内ではこうした外傷治療の経験がある医師は限られているため、不測の事態に備えるのが狙い。
銃乱射や爆発物による外傷の手術は、通常の外科手術とは別の専門性が必要とされる。テロ現場では患者の容体が不安定なことが多く、術前に十分な検査をする余裕がないまま、メスを入れて初めて損傷した臓器がわかるような緊急手術が大半だ。医師らには、すみやかに適切な手術法を見極め、あらゆる臓器に対応する技量が求められる。
今年度は、外傷の救急診療や胸部・腹部の手術経験が一定以上ある外科医や救急医らを対象にした養成研修を計画。初年度分として約1100万円の予算で10人程度の養成を見込む。
研修では、海外のテロ事例を踏まえた対応法や、負傷者の精神的ケア、チーム内の連携のあり方などの講義や、生きた動物を使った手術の実技を行う。
大友康裕・東京医科歯科大教授(救急災害医学)は、「海外のテロ事例をみると、爆発物や銃乱射によるものが圧倒的に多い。国内でも、こうした緊急事態に対応できる医療者の育成に取り組む必要がある」としている。
2017年4月5日 (水)配信読売新聞
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策で、厚生労働省は今年度から、爆発物や銃器、刃物による外傷治療に対応できる外科医の養成に乗り出す。
テロが世界で多発する中、国内ではこうした外傷治療の経験がある医師は限られているため、不測の事態に備えるのが狙い。
銃乱射や爆発物による外傷の手術は、通常の外科手術とは別の専門性が必要とされる。テロ現場では患者の容体が不安定なことが多く、術前に十分な検査をする余裕がないまま、メスを入れて初めて損傷した臓器がわかるような緊急手術が大半だ。医師らには、すみやかに適切な手術法を見極め、あらゆる臓器に対応する技量が求められる。
今年度は、外傷の救急診療や胸部・腹部の手術経験が一定以上ある外科医や救急医らを対象にした養成研修を計画。初年度分として約1100万円の予算で10人程度の養成を見込む。
研修では、海外のテロ事例を踏まえた対応法や、負傷者の精神的ケア、チーム内の連携のあり方などの講義や、生きた動物を使った手術の実技を行う。
大友康裕・東京医科歯科大教授(救急災害医学)は、「海外のテロ事例をみると、爆発物や銃乱射によるものが圧倒的に多い。国内でも、こうした緊急事態に対応できる医療者の育成に取り組む必要がある」としている。