愛媛)性同一性障害26歳の戸籍名変更を認めず 最高裁
2017年6月15日 (木)配信朝日新聞
女性の体に男性の心を宿す性同一性障害(GID)で松山市出身のAさん(26)=関東在住=が、戸籍上の名前の変更を求めた特別抗告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は7日付で特別抗告を棄却する決定を出した。
Aさんの戸籍名は「A子」。女性的な名前に違和感を感じて2015年夏から職場などで「A」と名乗り始め、昨年からは郵便物なども通称名で受け取るようになった。
現在の法律で戸籍を男性に変えるには、ホルモン療法や性別適合手術を受ける必要がある。Aさんは体を傷つけたくないなどの理由から手術を受けていないが、「性別が変えられなくてもせめて名前だけは変えたい」として、戸籍名の変更許可を求めて昨秋から裁判所に訴えてきた。
だが、松山家裁や高松高裁は「(通称名が)社会的に定着しているとはいい難い」などとして棄却。Aさん側は特別抗告で憲法13条の「幸福追求に対する国民の権利」を例に挙げ、「自己の認識する性と一致する名を名乗る権利」を侵害する憲法違反だと主張した。
特別抗告では高裁の決定に憲法違反があるかどうかを判断するが、最高裁は「実質は単なる法令違反を主張するものであって、特別抗告の事由に該当しない」とした。その他の理由は記載がなか
った。
代理人弁護士は「どの裁判所も名前の変更を認めたことによる弊害を説明していない。なぜ受け入れられないかの疑問が残ったままだ」と話した。
Aさんは「名前を変えて気持ちを新たにできると思ったのに残念。棄却するなら、明確に理由を示してほしかった。新しい職場でも通称名を使っていて、私生活では問題も起きていない。精神的に苦痛を感じて申請しているのに、ダメと言われる理由が分からない」と話した。(堀江麻友)
2017年6月15日 (木)配信朝日新聞
女性の体に男性の心を宿す性同一性障害(GID)で松山市出身のAさん(26)=関東在住=が、戸籍上の名前の変更を求めた特別抗告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は7日付で特別抗告を棄却する決定を出した。
Aさんの戸籍名は「A子」。女性的な名前に違和感を感じて2015年夏から職場などで「A」と名乗り始め、昨年からは郵便物なども通称名で受け取るようになった。
現在の法律で戸籍を男性に変えるには、ホルモン療法や性別適合手術を受ける必要がある。Aさんは体を傷つけたくないなどの理由から手術を受けていないが、「性別が変えられなくてもせめて名前だけは変えたい」として、戸籍名の変更許可を求めて昨秋から裁判所に訴えてきた。
だが、松山家裁や高松高裁は「(通称名が)社会的に定着しているとはいい難い」などとして棄却。Aさん側は特別抗告で憲法13条の「幸福追求に対する国民の権利」を例に挙げ、「自己の認識する性と一致する名を名乗る権利」を侵害する憲法違反だと主張した。
特別抗告では高裁の決定に憲法違反があるかどうかを判断するが、最高裁は「実質は単なる法令違反を主張するものであって、特別抗告の事由に該当しない」とした。その他の理由は記載がなか
った。
代理人弁護士は「どの裁判所も名前の変更を認めたことによる弊害を説明していない。なぜ受け入れられないかの疑問が残ったままだ」と話した。
Aさんは「名前を変えて気持ちを新たにできると思ったのに残念。棄却するなら、明確に理由を示してほしかった。新しい職場でも通称名を使っていて、私生活では問題も起きていない。精神的に苦痛を感じて申請しているのに、ダメと言われる理由が分からない」と話した。(堀江麻友)