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患者に寄り添った制度を 妻亡くした男性訴え

2019年12月04日 00時17分34秒 | 事故事件訴訟
患者に寄り添った制度を 妻亡くした男性訴え
2019年12月2日 (月)配信共同通信社

 2015年に医療事故で当時71歳だった妻を失った川崎市の増田渉(ますだ・わたる)さん(68)は、妻の体に研修医がカテーテルを挿入した際、動脈を傷つけたとする調査報告書を翌年、病院側から受け取った。だが経験の浅い研修医が処置した理由などの記載はなかった。病院側から納得できる説明はなく、医療事故調査制度にも「患者側に寄り添った制度になっていない」との思いが拭えずにいる。
 15年10月25日、増田さんの妻は自宅で頭を打ち、川崎市内の病院に搬送された。検査で脳に異常はなかったが、低カリウム血症と診断された。心停止の恐れを指摘され、首の静脈にカテーテルを入れカリウムを補充する処置を受けた。増田さんは入院準備のため帰宅。その約2時間後、容体急変の連絡が入った。駆け付けると、妻の顔は大きく腫れ上がっていた。3日後、妻は亡くなった。
 病院からは11月下旬、「予期せぬ死亡事故」として医療事故調査制度に基づき、院内調査を始めたと聞かされた。翌年3月に病院側から渡された報告書は計13ページ。死因を、処置の同意を取った医師とは別の研修医がカテーテルを首に挿入した際、動脈を傷つけて起こった大量出血としていた。
 増田さんによると、病院側は同8月の面談で「過失ではなく、合併症」と繰り返し、なぜ経験の浅い研修医が処置したかなどの説明はなかった。納得できず、翌月に日本医療安全調査機構に再調査を申請した。だが1年程度で出るとされた報告は3年たった今もない。
 現状の制度には「調査で分かったこともある」と一部評価するが、全容解明に向けた期待はあまり抱いていない。もう少し患者側に寄り添った仕組みだったら―。「国は制度だけつくって終わりにしないでほしい」
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