労災補償、望む声強く 骨折やうつ、後絶たず
2019年12月23日 (月)配信共同通信社
芸能人や音楽家らが新たに労災保険へ加入できる可能性が出てきた。フリーで働くこれらの人々は、仕事中にけがをしたり、取引先からハラスメントを受けて病気になったりしても公的な補償を受けることができなかったが、通院、休職時の補償やサポートへの要望は強くあった。
芸能関係者によると、ダンサーの多くに骨折の経験があるほか、倒れた舞台セットの下敷きになるなど、舞台や撮影の現場ではけがをする人が後を絶たないという。
日本俳優連合など、フリーランスが所属する3団体が今夏、約1200人を対象に行った調査では、「芝居中に骨折した共演者がいたが、誰も責任問題にしようとしない」(30代女優)「職場が原因でうつ状態と診断された途端、契約解除された」(20代女性ダンサー)「殴られたり蹴られたりして通院で休んだ」(映像製作技術者の30代男性)など、多くの悲痛な体験が寄せられた。
ハラスメント被害も、パワハラを受けた経験がある人は6割、セクハラは4割だった。その結果「心身に支障を来し、通院または服薬した」と答えた人は2割に上った。
このほか「仕事への意欲が減退した」「眠れなくなった」「仕事を休むことが増えた」などの訴えがあり、体も心も追い込まれている実態が浮かんだ。
調査を担当したフリーの編集者杉村和美(すぎむら・かずみ)さんは「フリーは仕事でけがをしても自己負担が当然になっている。けがだけでなくハラスメント被害も労働上の災害だが、声すら上げられないのが現状」と指摘。「俳優を中心とした取り組みが先行することで、他業種でも救済策の整備が必要という意識が広がっていくのではないか」と期待する。
2019年12月23日 (月)配信共同通信社
芸能人や音楽家らが新たに労災保険へ加入できる可能性が出てきた。フリーで働くこれらの人々は、仕事中にけがをしたり、取引先からハラスメントを受けて病気になったりしても公的な補償を受けることができなかったが、通院、休職時の補償やサポートへの要望は強くあった。
芸能関係者によると、ダンサーの多くに骨折の経験があるほか、倒れた舞台セットの下敷きになるなど、舞台や撮影の現場ではけがをする人が後を絶たないという。
日本俳優連合など、フリーランスが所属する3団体が今夏、約1200人を対象に行った調査では、「芝居中に骨折した共演者がいたが、誰も責任問題にしようとしない」(30代女優)「職場が原因でうつ状態と診断された途端、契約解除された」(20代女性ダンサー)「殴られたり蹴られたりして通院で休んだ」(映像製作技術者の30代男性)など、多くの悲痛な体験が寄せられた。
ハラスメント被害も、パワハラを受けた経験がある人は6割、セクハラは4割だった。その結果「心身に支障を来し、通院または服薬した」と答えた人は2割に上った。
このほか「仕事への意欲が減退した」「眠れなくなった」「仕事を休むことが増えた」などの訴えがあり、体も心も追い込まれている実態が浮かんだ。
調査を担当したフリーの編集者杉村和美(すぎむら・かずみ)さんは「フリーは仕事でけがをしても自己負担が当然になっている。けがだけでなくハラスメント被害も労働上の災害だが、声すら上げられないのが現状」と指摘。「俳優を中心とした取り組みが先行することで、他業種でも救済策の整備が必要という意識が広がっていくのではないか」と期待する。