Mars&Jupiter

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黛敏郎のバレエ音楽「舞楽」を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2007-09-18 05:22:05 | 古典~現代音楽日本編
昨日は、横浜駅から和田町まで歩きました。
そのあと天王町近くの居酒屋に行ったのだが、
そのお気に入りの店がつぶれていてショック。
つくづくお店が長い間営業を続けるのは難しいのだなと思う。

途中聴いたのは1929年生まれの黛敏郎の作品。
彼の経歴は、以前ブログで書いたので省略する。
彼の作品はスマートでセンスがいいと思う。
バレエ音楽「舞楽」は1962年に作曲された。
この作品はニューヨーク・シティ・バレエ団から
バレエ音楽の作曲を依頼され、生まれたものである。

曲は第1部、第2部で構成され、
松平や早坂ともまた違う彼独特の手法により、
雅楽の世界を管弦楽によって現代に蘇らせている。
第1部の冒頭から伝統的な西洋的音階とは違う
アナログ的な音の変化が模倣される。
雅楽の音楽を模しているように見えながらも、
それとは違う現代音楽なのだということも感じさせる。
音楽はダイナミックに盛り上がり、
雅楽にみられる宮廷の優雅さを感じさせながらも、
ピアノやシロフォンも加わり、その宮廷的な旋律に絡み合い、
音楽はその後静かに音量を落としてゆき、
ヴァイオリンによるグリッサンドの上下の動きが
幾度も繰り返されていく中、神秘的な雰囲気を漂わせつつ、
第1部の最後は、静かに終わる。

第2部は、打楽器が静かにリズムを刻み音楽が始まる。
これにピアノやヴァイオリンが加わり、
管楽器が旋律らしい音型を奏でる。
この旋律は西洋的でありながらも、
雅楽の楽器風に音を揺らしていく。
音楽はゆっくり進行しながら、
徐々にその音量をあげていく。
繰り返し一つのフレーズを続けながら、
突如中間部に激しくテンポの速い音楽になる。
この乱舞のような音楽が終わると、
今度は第1部の王朝的な主題が再現される。
壮大な音楽がうねるようにして展開され、
最後は華やかな響きの中で音楽が終わる。

こうやって、色々な日本の作曲家の作品を聴くと、
雅楽一つの題材をとっても、
その作曲家が生きた時代背景により、
それぞれのアプローチの仕方が違うのだなと思う。
松平、早坂、黛の3人の作曲家の作品を
比較して聴いてみると、それがよくわかる。
三人の作品に優劣をつけることはできないが、
個人的な感覚でいうと黛の作品が一番いいかな。
コメント
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