Mars&Jupiter

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大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」を聴きながら横浜から川崎まで歩く

2007-09-23 06:40:24 | 古典~現代音楽日本編
昨日は、横浜駅から川崎市幸区まで歩く。
国道一号線をずっと歩いていったのだが、
昼の暑さは予想以上で、日焼けをしてしまった。
やはり、まだこの時期は昼間にウォーキングは厳しい。
今日は川崎にある酒屋たけくまの試飲会の日だと思っていったら、
酒屋に着いたところ、店の人に試飲会は明日からだと知らされ、
軽いショックを受ける。ここまで歩いてきたのに残念である。

途中聴いた曲は、1918年大阪生まれの大栗裕の作品。
彼はホルン奏者として活躍し、作曲の方は独学のようだ。
1950年代から、オペラや管弦楽曲を発表し、
注目されるようになり、その作風は「東洋のバルトーク」、
「浪速のバルトーク」、「日本のハチャトリアン」と称されるようだ。

「大阪俗謡による幻想曲」は1955年に作曲され、
ベルリン・フィルハーモニーでも演奏されたらしい。
冒頭のあやしく始まる音楽は、いかにも日本的である。
吹奏楽曲を多く残していることもあってか、
打楽器や金管楽器が活躍し、なかなか軽快な曲である。
「東洋のバルトーク」と称されるのも、うなづけるように、
曲の作り方は、民族的な旋律を使いながらも、
ダイナミックで現代的な響きを持ちつつ、
強烈なリズムの扱いが、印象的である。
中間部のオーボエやフルートのソロは叙情的である。
その後曲は徐々に荒々しさを取り戻し、
最後は大阪の俗謡が再び登場し、華々しく終わる。

「管弦楽のための神話」は、天の岩屋戸の物語に基づいた曲で、
1973年に吹奏楽用に作曲されたものを、
1977年に管弦楽版に編曲したものである。
ゆったりと始まる音楽は、次第に勢いを増していき、
打楽器が原始的な感じを想起させるリズムを叩く。
そこあと続く、金管楽器が中心に刻む旋律は、
バーンスタインの、交響曲第1番「エレミア」を思い出させる。
中間部のフルート・ソロはあやしい神話の世界をかもしだす。
そのあと弦楽器や木管楽器を中心に神秘的な世界が表現される。
曲はやがてまた金管楽器を中心に、
再びバーンスタインぽい荒々しい旋律が戻ってくる。
そして最後はうねるような壮大な音楽となり、終わる。

「大阪のわらべうたによる狂詩曲」は、1979年の作品。
最初のファンファーレ風の音楽に始まり、
2回目のファンファーレ風の音楽のあと、
わらべうたが登場するが、その主題の扱いはバルトーク的である。
この曲を聴くと、「浪速のバルトーク」というのもわかる。
そのあとは、叙情的な雰囲気でわらべうたの旋律が扱われる。
最後は打楽器と金管楽器を中心に、
華々しいクライマックスを迎えて終わる。
コメント
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