Mars&Jupiter

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ミキス・テオドラキスの交響曲第3番を聴きながら二俣川から西谷まで歩く

2008-11-03 06:47:33 | 古典~現代音楽バルカン地域編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1925年生まれのテオドラキスの交響曲。
彼は、ギリシアのキオス島に生まれ、アテネ音楽院で学び、
その後パリ音楽院で学び、メシアンに師事したようだ。
交響曲第3番は1981年に作曲された作品で、
合唱と独唱者が加わる演奏時間70分を超える大曲である。

アダージョから始まる第一楽章は、沈鬱的な感じで始まる。
悲劇性のある旋律はギリシアがたどってきた歴史を感じさせもする。
合唱で歌われる素朴で情熱的な歌は、ディオニシオス・ソロモスの詩を
(訳が正しいかは分からぬが「狂気の母」という作品らしい)
テキストとして使用しているようである。
ソロモスは、ギリシアの愛国的詩人で、
ギリシア国歌の歌詞である「自由への讃歌」を書いた人物だ。
突然ドラムが入り、曲は異様な感じの雰囲気になっていく。
ソプラノが歌う旋律はギリシア風で古代を感じさせる。
ロマンティックな音楽は聴きやすく、分かりやすい。
劇的な部分が見られ、最後はドラムと金管楽器が加わった
合唱の音楽が再び現れ、神秘的な中終わる。
第二楽章はアレグロ・モデラートで始まる。
打楽器、金管楽器、弦楽器で奏される独特なリズムと旋律は、
繰り返されながら、狂乱の世界のような音楽となっていく。
現代音楽らしく、これはこれでなかなか聴き応えがある。
最後は太鼓など打楽器が叩く強烈なリズムに応え、
合唱が狂気めいた音楽をオスティナート風に展開する中で終わる。

第三楽章はアダージョで始まる楽章で、
ゆったりとした情緒あふれる音楽である。
やがて音楽はショスタコーヴィチ風の盛り上がりを見せる。
フルート・ソロなどが奏する旋律は、合唱にも歌われ、
これが他の木管楽器のソロでも繰り返され、美しい。
中間部ではビザンティン聖歌と思われる旋律が登場する。
鐘が鳴り響くのを合図に音楽は静まっていき、
最初のゆったりとした旋律が弦楽器中心に登場し、静かに終わる。
アレグロ・ヴィヴァーチェで始まる第四楽章は、
スケルツォ風に軽快な弦楽器のリズムの上に、
様々な木管楽器が少し滑稽な感じの旋律を吹いていく。
弦楽器がフーガ風の音楽を展開していくと曲想は変わり、
合唱と打楽器・金管楽器も加わり、激しくなっていく。
オルフを思わせるようなところもあり、おもしろい。
5分半過ぎたところで第一楽章のドラムと金管楽器が加わった
合唱の音楽が再び現れ、その後音楽は激しさを徐々に加えていく。
ソプラノの独唱が登場し、音楽はやや静けさを一旦取り戻し、
木管楽器と打楽器による神秘的な音楽になるが、
その一瞬の沈黙は第一楽章のドラムと金管楽器が加わった
合唱の音楽によりかき消されるが、ラルゴの部分になって
音楽は落ち着きを取り戻し、沈鬱的な重々しい曲調になる。
ソプラノ独唱が歌う部分はしんみりとしており、
弦楽器と合唱、そして打楽器が加わる神秘的な音楽となる。
古代のギリシアを想起させるような懐かしい感じである。
やがて、太鼓の重々しいリズムが繰り返され、
合唱が詩を読み上げていく中で静かに曲は終わる。
コメント
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