Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

あまりにも忙しい一日、そしてジョン・メイヤーのフルート協奏曲(ラガ音楽の環)

2009-05-26 05:04:29 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日はあまりにも忙しい一日であったゆえに、
ウォーキングを休みました。
昨日聴いたのは1930年カルカッタ(コルカタ)に
生まれたインドの作曲家メイヤーの作品。
彼はズービン・メータの父のメーリ・メータに学び、
イギリスでシェイベルに師事し、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団などで、
ヴァイオリン奏者として活動したようである。
フルート協奏曲は1981年に作曲された作品で、
ラガ音楽の環という副題が付いている。
ゴールウェイのために作曲された作品である。
今回聴いたCDの演奏はゴールウェイのフルート、
メイヤーのタンブール、岩城宏之指揮の、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるものである。

第一楽章は、フルート独奏によるフラッター奏法でいきなり始まり、
タンブールがそれに加わり、この二つの楽器によりしばらく展開され、
フルート奏者の演奏技巧が最大限に引き出されていく。
フラッター奏法とは、舌を振動させトレモロ効果を出す奏法で、
これをやることにより、インドの横笛をイメージさせるようだ。
しばらくしてようやくタンブールの音は消え、打楽器が加わり、
そして弦楽器も加わり、フルートとの競演が続く。
ゆったりとした瞑想的な音楽であり、いかにもインド的である。
荒々しい打楽器のリズムに対し、フルートは速い旋律を軽快に吹く。
第二楽章は、ゆったりとフルート独奏が歌うような旋律を奏で、
それを管弦楽がバックで支えていき、弦楽器とハープが活躍する。
フルート奏者の技巧的な名人芸を発揮する部分がここでもみられ、
フラッター奏法もみせていく中で、タンブールも最後の方で加わり、
第一楽章冒頭を再現し、そのあと第二楽章の冒頭部分が現れて終わる。

第三楽章は、冒頭で鐘の音が鳴り響き、打楽器中心に活躍する。
そのあと軽快なリズムにのってフルートが速いフレーズを吹いていく。
短い中間部を経て、冒頭の部分が再現されて終わる。
第四楽章は、シロフォンとフルート独奏により音楽が始まり、
フルート独奏が流れるような旋律を奏でていく。
ゆったりとしたテンポの間奏曲的な短い楽章である。
第五楽章は、再びフラッター奏法を駆使したフルート独奏で始まり、
打楽器が加わり、タンブールは第一楽章冒頭の雰囲気を醸し出す。
しばらくしてフルートが軽快な旋律を奏でるが、
これは第一楽章との関連性を想起させる。
やがてそれとは違う別の旋律も登場して展開し、
最後は軽快なリズムの中、フルートの華やかな音で終わる。

なお、今回とりあげた協奏曲その他の地域編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/concerto-music-cd-other.html
参考にしていただければ幸いです。
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ペーター・スカルソープのピアノ協奏曲を聴きながら西谷駅から二俣川まで歩く

2009-05-25 05:01:19 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は西谷駅から二俣川まで歩きました。
途中聴いたのは1929年生まれのスカルソープの作品。
オーストラリア出身の彼の経歴については、
管弦楽曲編に触れたので省略するが、
日本の音楽からもいろいろ影響を受けている作曲家である。
ピアノ協奏曲は1983年に作曲された作品で、
日本の古い宮廷音楽やバリ島のガムラン音楽から、
影響を受けているようなことを本人自身が解説書で書いている。
作曲した時期は三人の親しい友人を失ったころであったようで、
それゆえ、曲は深刻さ、そして空虚感がみられる。
今回聴いたCDの演奏はタマラ・アンナ・シスロウスカのピアノ、
ジャッド指揮のニュージーランド交響楽団によるものである。

曲は5つの部分に分かれ、グラーヴェ-アニマート-グラーヴェ、カルモ、
アニマート-リソルート、コモ・ノットールノ、エスタティコから成る。
1番目の部分は3番目と4番目の部分に対応し、
2番目は5番目の部分と対応しているようだ。
重苦しい管弦楽の導入に続き、独奏ピアノが入る。
ピアノはやがて躍動する旋律を繰り返し、2番目の部分に入り、
6分くらいから管楽器が演奏するのは雅楽風でもある。
ピアノ独奏はやがて情熱的に盛り上がっていくが、
一方で管弦楽は命のはかなさをうたうかのように、
淡々と静かに音楽を奏でていく。
少し動きのあるアニマートの部分に入り、
打楽器が一定のリズム繰り返し、ガムラン風な部分もみせ、
金管楽器も加わり、ピアノとともに激しい音楽となり、
不協和音も聞かせ荒々しい感じになり盛り上がるが、
そのあとの静かな部分では独奏ピアノが活躍する。
即興風な旋律をピアノは奏でていく。
やがて2番目の部分の音楽が再び現れ、
重々しい、しかしはかなさを感じさせながら、
最後はピアノと管弦楽によって盛り上がりをみせて終わる。
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ベンヤミン・ユスポフのノーラ~様々な笛と弦楽オーケストラのための協奏曲を聴きながら西谷まで歩く

2009-05-24 04:48:55 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から西谷まで歩きました。
途中聴いたのは1962年生まれのユスポフの作品。
ベンヤミン・ユスポフはタジキスタンに生まれ、
1981年から1990年の間、モスクワのチャイコフスキー音楽院で
ピアノ、作曲法、指揮法の教育を受け、
ドミトリ・キタエンコなどに師事した。
その間から、指揮者、作曲家として活躍し、様々な賞を受け、
1990年にはイスラエルに移住している。
ノーラ~様々な笛と弦楽オーケストラのための協奏曲は、
1994年に作曲された作品で、二楽章で構成される作品である。
今回聴いたCDの演奏はマティアス・ヅィーグラーのフルート(各種笛)、
ヘルムラートの指揮、ドレスデン交響楽団によるものである。

第一楽章は、ダブルベース・フルートというのか、
かなり低い音の笛の響きで怪しくゆっくりと始まる。
その響きはアジア的であり、祈るような声まで聞こえ、
宗教的な雰囲気を漂わせているが、その瞑想的な音楽は、
弦楽器が加わってからもしばらくの間、保たれていく。
さらに西アジアにみられる笛の響きで旋律が奏でられ、
そのあと弦楽器とのやりとりが続き、叙情的な部分をみせ、
後半から躍動的な主題が弦楽器により現れ、繰り返され、
徐々にドラマティックに盛り上がりをみせていき、
笛の音と絡み合いながら、冒頭の瞑想的な音楽が登場し、
最後は静かに終わり、第二楽章に続いていく。

第二楽章は、その続きから始まるが、
音楽はやがて一定のリズムを刻みだし、
フルートと弦楽器で、躍動的な旋律を奏でていく。
オスティナート風に繰り返されるリズムの中で、
フルート(笛)奏者の高度な技巧が発揮される。
親しみやすい旋律が繰り返されながら、盛り上がり、
最後はフルートの下降する音で終わる。
生命の躍動を感じさせるこういう曲は、
気分の落ち込んだ今の自分の心に、
前向きに生きることの活力を与えてくれる。
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忙しい一日そして呉祖強の琵琶協奏曲「草原の小姉妹」をレコードで聴く

2009-05-23 07:00:12 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は一日中忙しく、ウォーキングをする時間もなかった。
ゆとりのないのは健康によくないなあと思いながら、
家で酒を飲み、むしゃくしゃした気持ちをまぎらす。
久しぶりになつかしいレコードを出して、
中国の作品を聴いて、気分転換をしてみる。
聴いたのは1927年生まれの呉祖強の作品。
彼の略歴は器楽・室内楽曲編で触れたので省略する。
琵琶協奏曲「草原の小姉妹」は1973年に作曲された。
今回聴いたレコードの演奏は劉徳海の琵琶、
小澤征爾指揮、ボストン交響楽団によるものである。

作品はモデラート、アレグレット、アンダンテ、アレグロ、
そして最後にプレストという5つの部分から構成されている。
ホルンと管弦楽に始まる導入に続き琵琶独奏が入る。
そして管弦楽伴奏により琵琶が主題を軽快に奏でる。
次にゆったりとした部分に入り、草原の放牧を描写する。
叙情的なこの部分は内モンゴルの草原を感じさせ、
雄大な自然を感じさせる美しい音楽である。
そのあと少し荒々しい音楽になり、
それは荒れ狂う暴風雪を描写しているようだ。
テンポの速い中、琵琶の技巧的な演奏が冴える。
しばらくカデンツァ風の琵琶独奏が続き、
劉徳海による美しい琵琶の演奏を聴くことができる。
それがフルートの音で終わり、管弦楽が入り、
琵琶がフルートなど管楽器との掛け合いの中で、
美しく叙情的な旋律を奏でていく。
そのあとはいったんテンポが早まり、
そのあとゆったりとした音楽になるが、
このあたりはいたるところで咲き誇る無数の赤い花々を
描写しているような雄大な音楽である。
そのあとテンポは速まり、冒頭の主題が再現され、
最後は軽快なプレストのコーダで華やかに終わる。
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鄭冰の二胡協奏曲第3番を聴きながら片倉町から和田町まで歩く

2009-05-22 05:59:22 | 古典~現代音楽その他の地域編
いろいろなことでちょっと傷心の気持ちにも、
音楽はやさしくそれを癒してくれるところがある。
そんな気持ちになっていたところで中国の曲を聴くと、
その嫌な気持ちを一時的にも忘れさせてくれる。
昨日は片倉町から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1956年生まれの鄭冰の作品。
彼の略歴は管弦楽曲編で触れたので省略する。
二胡協奏曲第3番は作曲年代については、
CDの解説にも書いておらず不詳である。
今回聴いたCDの演奏は主暁生の二胡、閻惠昌の指揮、
中国北京音楽廰愛楽民族楽団によるものである。

第一楽章レントは、管弦楽による京劇風の音楽で始まる。
二胡の独奏が入り、民謡調の旋律を歌っていく。
これは東北の民族音楽「江河水」の旋律から採っており、
それは夫と生き別れた妻の悲嘆を歌った音楽である。
第二楽章モデラートは、笛の音に導かれ始まるが、
奏でられる旋律は軽快で陽気な音楽で、
束の間の幸せを歌うかのような感じである。
夫との楽しかった過去の思い出を描いているような
そんな回想風の音楽であり、二胡が奏でる旋律も魅力的だ。
第三楽章ヴィヴァーチェは、弦楽器中心に始まり、
打楽器などが加わり、荒々しい感じで始まる音楽である。
その中を二胡も高度な演奏技術を発揮するところでもある。
速いテンポで展開される音楽は戦乱の中、
夫と生き別れることになった現実を表現しているかのようだ。
第四楽章レントは、第一楽章の主題が二胡によって再現される。
夫の姿を求めてさまよう妻の嘆きが表現されている。
人生はドラマティックであり、その中に喜怒哀楽があり、
それゆえに人生であることを表現しているかのようである。
終わりに二胡のカデンツァ風の独奏があり、
最初の旋律管弦楽により奏され盛り上がり、
最後は消えていくように静かに終わる。
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