音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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C.P.E.バッハ《ソルフェジエット》【楽曲解説・和声分析】

2020年11月26日 | クラシック音楽道場

【楽曲解説・和声分析】

カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ《ソルフェジエット ハ短調 》

Carl Philippe Emanuel Bach, Sorfeggietto c-moll

 

演奏時間1分ちょっとという短い中に

「疾風怒濤」の音楽が凝縮されています♪

 

一般的にはきっとあまり知られていない

C.Ph.E.バッハの音楽と、その人となり、時代性や人間関係など

色々な側面をご覧いただけたらと存じます。

 

C.P.E.バッハ《ソルフェジエット》【楽曲解説・和声分析】

 

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0:00~ 楽曲解説・和声分析】カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ《ソルフェジエット ハ短調 》

0:36~ 「Prestissimo(とても速く)」、♭3つのc-mollハ短調

1:10~ C.P.E.バッハは、大バッハ=J.S.Bachの次男

2:22~ Georg Philipp Telemann テレマンが名付け親、CPEバッハはハンブルグ市音楽監督の後継者に、それ以前はフリードリヒ大王の元で宮仕え

 

4:36~ 様式:Strum und Drang 疾風怒濤(運動)1765年~18世紀末、人間の感情に重きを置く、ロマン派に通ずる潮流、Storm and Stress

6:28~ CPEバッハ生誕(1714年)の地はWeimarヴァイマール(←近現代の民主主義の草分け的意味ある土地)

 

8:54~ 使用楽譜、imslpにてダウンロード可能

9:13~ Hans von Bülowハンス・フォン・ビューロー版(人物と妻コジマ、リストとワグナー)、「指揮者」としての第一人者

10:41~ 自筆譜、 長男Wilhelm Friedemann Bachよりも出世した次男CPEバッハ

12:02~ 著作『Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen正しいクラヴィア奏法』

 

13:26~ 自筆譜を検証、書かれていることは「f」「p」

14:49~ 17小節、テーマに「fフォルテ」の記載有り、ゆえに冒頭1小節も「f」

15:17~ 25小節、左手が無い!?

16:59~ 30小節、自筆譜だと①拍目の左手は単音Sol

 

19:29~ c-mollハ短調、《悲愴ソナタ》の調性、ベートーヴェンとCPEバッハの繋がり、少年C.チェルニーに『Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen正しいクラヴィア奏法』を使ってレッスンした

 

21:11~ 右手に拍、①拍目に〔t, トニカ(主和音)〕、③拍目に〔D, ドミナント(属和音)〕、疾風怒濤の感情とは!?

 

23:19~ 左手「フィンガーペダル」の使用、その時代に使われていた鍵盤楽器は「チェンバロ」と「フォルテピアノ」におけるテクニック、単純に十六分音符の羅列ではない音楽性 (余談:ベートーヴェンのピアノ曲はもうチェンバロ用ではなさそう)

26:09~ 通奏低音の文化・伝統の名残でもある、奏者に自由が任されている音楽、一方ではHandsatzと呼ばれる、楽譜に全て書かれたタイプの楽曲もあり

 

29:10~ 5小節、〔5度の滝〕、シャンソン《枯れ葉》に代表されるロマンティックな和声進行

 

30:53~ 【II,IV,VI和声解析法】、5小節③拍目Faは第IV音(=Es-Durの第II音)

31:40~ 6小節、Si♭が出ることによりEs-Dur変ホ長調(平行調)に転調が確実、〔滝〕でもあり〔カデンツ〕でもある

33:36~ 7小節、すぐにg-mollト短調に転調

 

35:25~ 13小節③拍目、c-mollに戻る、15小節③拍目はf-mollヘ短調に転調(ベートーヴェン《熱情》の調性)

36:52~ CPEバッハにおけるペダルの使用は!?

37:49~ J.S.バッハの鍵盤楽曲はペダル無しで勉強すべし

38:31~ 左手オクターヴ、音価に注意

 

39:24~ 14小節、左手の四分音符に、自筆譜ではスタッカート無し

 

41:35~ 17小節~

42:28~ この曲は「Prestissimoとても速く」ゆえに終止形で「落ち着く」暇がない!?

44:16~ 〔終止形〕ではなく〔和声〕で音楽を感じ表現する

 

44:45~ 22小節、Re♭はf-mollの第VI音

46:43~ 近代における「自我」の芽生え、いずれ「ロマン派」に通じる、それを「表現しよう」とする文学や音楽、疾風怒濤、パトスPathos

 

48:00~ 23小節、〔D46〕という大事な和音を、敢えて「p ピアノ」で

49:54~ 24小節、Si♮ は〔増4度(tritonus、三全音「diabolo di musica 音楽の悪魔」)〕

52:02~ Si♮ は、c-mollハ短調の〔導音〕ともなり、右手Re♮ もあり転調

53:27~ 25小節、自筆譜においては右手のみ、左手に音なし!?

54:20~ まさに〔カデンツ〕、②拍目は〔IVの和音〕すると右手はSi♭とSol は〔倚音〕となり「強弱中弱」のニュアンスが現れる

56:00~ ③拍目、スラーがあることで〔D46〕を大事にする意図あり

56:18~ ④拍目、〔装飾音(プララー+ドッペルシュラーク)〕の弾き方(ベートーヴェン《ピアノソナタ 第24番 op.78「テレーゼ」》に同じ装飾音あり)

59:00~ 25小節の終わりは〔半終止〕、そして音楽は続く、★〔Dドミナント〕〔Tトニカ〕と続くさいに必ず〔全終止〕しなければいけないわけではない

 

1:00:27~ 27小節~、〔コードネーム〕の「7th(属七)」だらけ

1:02:11~ 和声学的に解析すると、〔代理終止〕の連続、すなわち〔IV度調のV度〕でEs-Dur変ホ長調へ転調、終わる!?と思いきや先がある音楽性

 

1:06:19~ 30小節、〔D46〕〔D7〕→〔t〕でc-mollハ短調

1:07:00~ 自筆譜だと①拍目の左手は単音Solのみ、右手のアルペジオに〔D46〕に充分に聴こえる

 

1:08:15~ 26小節~、自筆譜に、左手の「スタッカート」の記載有り!?、13小節の左手は「スタッカート」無し

 

1:10:23~ 29小節、左手La♭とFa♯ で〔増6度〕の音程、c-mollの〔ドッペルドミナント〕の特殊計〔ジャーマン6th〕、和音の基本形はコードネームでいうと「D79th(根音省略、⁻5th=第5音の下方変位)」

1:14:59~ 〔増6度〕は展開すると〔減3度〕

1:15:41~ 34小節、③拍目裏の〔八分休符〕、容赦なく音が無くなる、風が鳴りやむよう、疾風怒濤

 

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▼ベートーヴェン【ピアノソナタ全32曲 楽曲和声解析】動画一覧▼ https://www.youtube.com/playlist?list...

 

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1 コメント

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Unknown (candycandy)
2020-11-26 21:06:47
瀬川先生

ソルフェジェットの講義をありがとうございました。

息子は、瀬川先生のおかげで、大好きなソルフェジェットが、「一生想い出に残る大大大好きな曲」になりました。

先生の講義を拝聴しながら、息子は、何百回も「かっこいい~♥️」を連発しております。

c.p.fバッハの自筆の楽譜というものにも「しびれ」、あこがれのベートーベンのレッスンテキスト(チェルニーへの)が、c.p.fバッハのものであったこと、瀬川先生が留学されたのが、c.p.fバッハの生誕のヴァイマールであることなど、どれも息子にとってキラキラ輝く講義であったようです。

息子は、瀬川先生とベートーベンが憧れです。私も先生のノーブルな雰囲気が大好きです❤️

コンサートを聴きに行ける日を楽しみにしております❤️

本当にありがとうございました❤️
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