音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆激流の感情の表現こそ!? ~ シェイクスピア『ハムレット』より

2010年05月31日 | ◆一言◆
 
シェイクスピア著『ハムレット』より


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このせりふは
僕が演って見せたように、
自然な口調ですらすらと言って貰いたい。


大きな口をあけてわめくくらいなら、
むしろひろめ屋にやらせた方がましだもの。


そして、大げさにこんな工合に空を切らないで、
万事上品にやり給え。


感情が激流となり、暴風(あらし)となり、旋風(つむじかぜ)を巻起す場合こそ、
格別に抑制して、
それを滑らかに吐露しなければならない。


かつらをつけて荒事をやる奴が、
激しい感情を地で行って、
概してわけの分からぬ黙劇や
騒々しい大言壮語しか面白がらない大向(おおむこ)うの連中の、
耳をつんざくばかりに怒鳴り立てるのを聞くと、
僕は全くうんざりしてしまうよ。


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感情が激流となり、嵐となり、旋風となる時の表現の仕方・・・


なんだかこの文章を読んでいて、
今年が生誕200年、ショパンの音楽を思い出しました。


ショパンの音楽にも、少なからず、
感情の激流を思わせる音楽がいくつもあります・・・
でも、
だからといって、感情の赴くまま、がなりたてるのは
ショパンの音楽の性質とは異なるものだと言われます。



感情の激流のような音楽が
いつも「上品」である必要は無いと思います。


たとえばベートーヴェンだったら・・・

感情の激流・・・いっちゃってもよいかも!?


ケース・バイ・ケースで、
それぞれの作曲家の作品、そのメンタリティに応じて
奏者はその理想的な表現を会得するよう務めたいもの、
そんな風に思いました。



P.S.
ところでハムレト自身は、
このように、劇中に登場する俳優に向かって
上記のように指示するのですが、
当の御本人は
・・・皆さんご存知の通り・・・相当な感情の激流に呑み込まれているようです。

本人がそうだからこそ、
他には冷静さを求めたのかしら?


感情表現とは・・・奥深そうなものです










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