音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆ブラームスの演奏・風貌

2010年02月09日 | ブラームス Johannes Brahms
ドイツ・ロマン派(クラシック!?)の巨匠
Johannes Brahms ヨハネス・ブラームス

そんな彼の、若かりし頃の姿がありありと目に浮かぶような文章を見つけたので、
ご紹介したいと思います。


『ブラームス回想録集 3 ブラームスと私』
ウ゛ィトマン・ゴルトマルク著 天崎浩二 編・訳 音楽之友社 より抜粋

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その年の冬、コンサートで初めてブラームスの演奏を聴いたのだった。
ブラームスとキルヒナーが交代でピアノを受けもち、チューリヒから来た
若きヴァイオリニスト、フリードリヒ・ヘーガーも参加する室内楽コンサートだった。

いわゆる名人芸とも違う激しい演奏とその独特の風貌、
三十三歳のブラームスから受けた印象は強烈だった。

小柄でずんぐりした体形に亜麻色の髪、
ヒゲはきれいに剃られているが、下唇が突きだして、好印象とは言いがたい。

しかし全身からは力がみなぎっていた。

獅子のごとき胸板、ヘラクレスのような肩幅。
ピアノを弾きながら後ろに豪快にそり返る頭。
洞察力を表す美しい額。
ブロンドの睫毛の下からはゲルマン人の眼が演奏の喜びに光り輝き、
芸術家魂が指先まで伝わっている。
力強く鍵盤を叩く巨匠を見つめると、
オリンポスの神々を称えるカフィゲーニアの言葉が浮かんできた。


果てしなのない饗宴で
黄金の食卓を囲み
不死のまま
山から山へと闊歩する神々は・・・









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