音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆大作曲家達が思い起こす自らの若かりし頃の「名作」

2010年02月06日 | ◆一言◆
クラシック音楽の作曲家として大成した人々、
彼等が熟成した後に、
自らの若年に創作した作品を思い返し、それが
良いものであったことを
自ら認めるということが
あるようです。


今思い付くところでは、
ショパン作曲の《エチュード ホ長調 op.10-3 「別れの曲」》

20歳の頃に作曲したこの曲のことを、
ショパン自身は後年、
「自分が書いた中でも最も美しいメロディー」
と言ったのだそうです。
 


もう一事例思い付くのは、
ラウ゛ェル《亡き王女のためのパウ゛ァーヌ》

晩年のラウ゛ェルは、交通事故にあい、
脳に障害を負ってしまい
記憶が定かでなくなってしまったそうなのですが・・・

聞くところによると、
そんな状態のラウ゛ェルが、ふと、《亡き王女のためのパウ゛ァーヌ》を耳にして
「この音楽は美しい!!この音楽を書いたのは誰だろう?」
と言葉にしたとか・・・

これを単なる作り話とか、実はラウ゛ェルは自分の曲と知っていたのではないか!?なぞと邪推したくはありません・・・

記憶障害を患った人の、純粋無垢な音楽家の心から、
あるひとつの音楽を「美しい」と判断したのではないだろうかと・・・

壊れ・閉ざされた記憶の片隅に、
若い頃の自分が、美しいと信じて音を集めた作品が、
老齢になって再びそれに触れて、それが自らの美意識に照応して
「やはり美しい!!」
と再確認できたと解釈することはできないでしょうか。

 


前記のショパンにしろ、
このラウ゛ェルにしろ、
面白いのは、
どちらも20歳前後の若年時に、すでに
円熟した後の本物の音楽家となった彼等自身が認めるほどの
美しい音楽を書いてしまっていたということ・・・が
浮かび上がってくるのではないでしょうか。



天才は・・・いや、もしかすると天才に限らず、人間は!?
二十歳前後に、最高点に達してしまうようなことが
あるのかもしれない・・・
そんなことを思いました。
ゆえに、すると、一概に歳をとればよい、とは言えなくなってしまうということでしょうか!?


みなさまも、ご自分の若い頃を思い返し、
うん、なかなか良かった、
と自己評価できることがあるのではないでしょうか!?





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